[Chess]

Introduction

GIPFにはじまる、ベルギーのKris Burm によってデザインされたアブストラクトゲームをとりまとめたProject GIPFは、現在下記6本の二人対戦アブストラクトゲームが含まれています。

  1. GIPF (1997)
  2. TAMSK (1999)
  3. ZERTZ (2000)
  4. DVONN (2001)
  5. PUNCT (2005)
  6. YINSH (2003)
  7. TZAAR (2007)

GIPF package ZERTZ package DVONN package PUNCT package

PUNCTは、YINSHより後の発売ですが、プロジェクトで5番目のゲームというあつかいです。

TAMSKは、TZAARによって置き換えられました。

いずれのゲームも、アブストラクトゲームのお手本といえるほど抽象度が高い駒とボードを使い、数学的対称性を持った美しいデザインのゲームです。

これらのゲームを一つのプロジェクトとしてリリースする目的は、 シリーズ全体を通じて、 シリーズ中のゲーム単体だけからではなく、文字通りシリーズ全体からも、 ゲーム性や挑戦の両方を提供することだそうです。

しかしプロジェクトGIPFのもっとも大きな目玉は、各ゲームの特徴を凝縮した「ポテンシャル」を使って、GIPFの中にProject GIPFのその他各ゲームのフレーバーをうまく取り込んで、各ゲームを連携させる仕組みを提供していることです。

さらに、GIPFの複合ゲームでは、ゲームの中でサブ・ゲームをしながら勝負を進めよう、間にはさむサブ・ゲームは、Project GIPFのすべてのゲームはもちろんのこと、Chessなど、その他のどんなゲームでもよい、というコンセプトを提案しています。

Project GIPFのいずれのゲームにも、ポテンシャル(potential)が提供されています。ポテンシャルは、それぞれのゲームの拡張キット(駒)です。ポテンシャルを使うことで、それぞれのゲームの派生ルールを楽しんだり、他のゲームと結合させることができます。

カードゲームやボードゲームでは、拡張セットによってゲームを継続的に 楽しめる企画をよく見かけます。 アブストラクトゲームでも、Hiveが拡張駒を発売していますが、 複数のゲームをシリーズ化して結合する発想はユニークで意欲的です。

アブストラクトゲームでは、ルールが複雑になりすぎると、 プレーヤーの興がそがれる傾向があります。*1 Project GIPFのゲームは、それぞれが短期決着系のお手軽ゲームではなく、 本格戦略ゲームですので、これは大変挑戦的な試みです。

Potentials

GIPF Expansion packages

現在、Project GIPFの拡張セット、GIPF Project Setsは、以下の三セットが発売されています。

  1. GIPF Project Set 1 Funagain Gamesで買う:Funagain Gamesで買う
    • それぞれのプレーヤー用の、TAMSK ポテンシャルが入っています
  2. GIPF Project Set 2 Funagain Gamesで買う:Funagain Gamesで買う
    • それぞれのプレーヤー用に、6個の DVONN ポテンシャル
    • それぞれのプレーヤー用に、6個の ZERTZ ポテンシャル
    • 12個の ZERTZ リング (ZERTZでリングは、フィールドを形成するために使います)
  3. GIPF Project Set 3 Funagain Gamesで買う:Funagain Gamesで買う
    • それぞれのプレーヤー用に、6個の YINSH ポテンシャル
    • それぞれのプレーヤー用に、6個の PUNCT ポテンシャル
    • それぞれのプレーヤー用に、3個の拡張 GIPF 駒 (Ultimate GIPFをプレーするためのものです)

オフィシャルページでは、これらのポテンシャルを使って、後述する二つ(+)のゲーム、 Ultimate GIPF, Combining Games が紹介されています。

Potential powers = 個別のポテンシャルの能力

Potentials

各Potential = 左からGIPF, TAMSK, ZÈRTZ, DVONN, YINSH, PÜNCT

GIPFのルール(スタンダード・バージョンとトーナメント・バージョン)では、通常駒を2個あわせて使うGIPF駒が存在しますが、これを、「通常駒がGIPFポテンシャルを帯びている状態」と考えます。

GIPFポテンシャルの能力を一口で説明すると、

GIPFポテンシャル

  • 他の駒のように盤から取り去らず、その場に残すことができる
  • 4つ同色の駒(と、前後に白黒を問わずさらに多くの駒)が一列に並んでも、その列に含まれたGIPF駒は、盤上に取り去られずにそのまま残ることができる
  • 自分のGIPF駒を盤上から取り去るとき、2つの通常駒としてリザーブに戻る

同様に、その他4つのポテンシャルにはそれぞれ次のような特徴を駒に与えます。

TAMSKポテンシャル

  • 追加で1つ動くことができる
  • 中央の点に到達したとき、オーナー・プレイヤーは自ターンに1つ追加で動くことができる(追加で動いたら、TAMSKポテンシャルは消滅する)
    ※ TAMSKというゲームは、その後リリースされたTZAARに取って代わられた形になりましたが、TZAARとGIPFとを連携させるポテンシャルは、TAMSKポテンシャルと名づけられました。

ZERTZポテンシャル

  • 1個かそれ以上の駒を飛び越えることができる
  • 隣接する駒(敵駒でも自駒でも。1つ以上、一続きで並んでいる限りいくつでも)を飛び越え、最初の空きスペースに、駒を着地させる(飛び越えて着地までを1ターンと数える)
  • ポテンシャルは着地後もゲームに残る

DVONNポテンシャル

  • 敵駒の上に上ることができる
  • 隣接する敵駒(通常の敵駒、または敵のDVONNポテンシャルが載った敵駒、または敵のDVONNポテンシャルが載って敵駒になった自駒)の上に上ることができる(隣の駒の上に上るという動作を1ターンと数える)
  • 隣接していてもDVONN以外のポテンシャルが附帯した状態の敵駒の上に上ることはできない
  • その下の駒と違う色のDVONNポテンシャルが頂上に載った駒を捕獲した際は、一番上のDVONNポテンシャルのみ盤から取り去る

PUNCTポテンシャル

  • 敵のGIPF駒、PUNCTポテンシャルの能力を中和することができる
  • 隣接する敵のGIPF駒、またはPUNCTポテンシャルを載せた駒の上に上って、それら駒の能力を中和することができる
  • 敵のGIPF駒を自分のGIPF駒に変えることができる

YINSHポテンシャル

  • 1つかまたはそれ以上の空いている交点をつなぐ直線を引くことができる

Ultimate GIPF

上記ポテンシャルを使って、GIPFを遊ぶのが、Ultimate GIPFです。

  • 各プレイヤーは、TAMSK, ZERTZ, DVONN, YINSH, PUNCTそれぞれのポテンシャルを3個ずつを持ちます。
  • 各プレイヤーはまた、オリジナルの18個に加え、通常駒を3枚追加で持ちます。
    これらは、他の通常駒と同じように、GIPFポテンシャルとして使えますが、これら21枚の通常駒を使って何個のGIPF駒を作るかは、プレイヤー次第です。

これで両プレイイヤーは、それぞれ18個の通常駒と、18枚のポテンシャルを持つことになります。
トーナメント・ルールを使ってゲームを開始します。
互いにまず、好きなだけの数のGIPF駒を盤上に投入、GIPF駒が終わったら、その他のポテンシャルを帯びた駒を全て投入します。
それが終了したら、通常駒でゲームを続けます。

次の一手で何が起こるかわからない、想像を絶するGIPFゲームが楽しめるはず、と、オフィシャル・サイトでは薦めています。

Combining Games = 複合ゲーム

複合ゲームは、Ultimate GIPFよりさらに複雑です。

GIPFのプレイ中に一方のプレイイヤーがポテンシャルの能力を使いたいとき、もう一方のプレイヤーはそのポテンシャルの能力を無効化するためのチャレンジをすることができます。 GIPFのプレイを継続するために、GIPFをいったん中断してサブ・ゲームで勝負をつけなければならないのです。

複合ゲームは、はじめる前に、両プレイヤーは、あらゆるルールについて合意しておく必要があります: GIPFをどのゲームと複合するのか、何回、どんな条件で、チャレンジをおこなうのか、サブ・ゲームは何にするのか(Chessでも、GIPFの中のGIPFでもかまいません)… そのときの気分や、ゲームに使える時間などによって、自由に決められます。

Note

Project各ゲームの特徴を凝縮した「ポテンシャル」という拡張キットを使って各ゲームをうまく連携させ、ゲームの戦略性や深みをさらにアップさせる、というアイディアは野心的です。 最初からその実現のためにこのProjectを入念に企画し、それぞれ完成度の高い6本の独立したアブストラクトゲームをリリース、そしてそれらが、構想どおり、ポテンシャルを使って見事に連携するシステムを纏め上げたことは、注目に値すると思います。

しかし、「複合ゲーム」は、ゲームのシステムというよりも、「サブ・ゲームズ・イン・ゲーム」というコンセプトの提案にとどまって、遊び方はユーザーに委ねた形になっています。

SEE ALSO

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*1 Hiveにおいても、強力な蚊の駒が標準ルールの方が加わることで、ゲームが大味になってしまいます。

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Last-modified: 2017-09-21 (木) 12:42:11 (27d)