Abstract Strategy Game Society 第13回 Abstract Strategy Game Society & The Game Party の記録 †![]() 開催日 2013年7月20日 場所 東京五反田 アーヴァイン・システムズ会議室 記録 †第1部 Abstract Strategy Game Society 今回の発表は8件と盛りだくさん。研究会の時間を延長しました。 正規/参考出展
山本さんの新作The Lord of The Ringsは、時間をかけて、じっくりプレーできる秀作です。指輪を数多く集めるのが目的。このゲーム、相手の指輪を奪い取れるのですが、よいタイミングで奪わないと、かえって不利になることがあります。終盤、千日手のパターンを回避するために、いくつかのルール改変のアイディアが出ていました。 土井さんの新作は、Checkersの仲間のように駒を飛び越えていくBinkyです。駒を飛び越えていく様をうさぎに例えています。Binkyは、Chinese Checkers / ダイヤモンドゲーム に近いルールの競争ゲームですが、手駒ににんじんが3本。これを使って、相手のうさぎをバックさせたり、自分のうさぎをスピードアップさせます。
渡辺さんのMacbeth。以前に発表されたMacbethは名称をダイスキングに改め、今回からOthello&Reversiをモチーフにしたゲームシリーズをシェイクスピアの四大悲劇になぞらえたネーミング。その第一弾としての発表です。 争点がボードの中央になるように工夫して、挟んだ相手の駒を裏返すのではなく、自分の駒を積み上げるというアイディアです。かなり、ダイナミックに形勢が変わるところが面白いゲームです。 Blitzkriegは、Amoebaのようにスタックを作りながら、対辺を接続するコネクションゲームの仲間です。コネクションゲームなので、形勢は見て判断しやすいのですが、手番で駒を置いて、スタックを崩す、という2つのアクションをするため、意外な手を見落として逆転してしまうことも。ボードサイズがゲームの面白さに影響しそうです。
Glaisherは、Blitzkriegと同様、コネクションゲームです。スタックを詰み、分解するという点も共通ですが、ボードはヘックスボードを使います。このゲームのユニークな点は、スタックを整数分割することです。そのため、整数分割の定理(グレイシャーの定理)を証明したJames W.L Glaisherという数学者の名前を冠しています。一見すると難しそうですが、数学を愛する考案者 正田さんの持ち味が効いた、やってみるとスッと腑に落ちる不思議なゲームです。 草場さんが、10分ほど顔を出してくださり、手持ちのゲームを飛び入りで紹介されました。L Gameは1967年に発表された、パズル要素の強いアブストラクトゲームです。手作りのボードと駒のL Gameは、ずいぶんと味わい深いものです。
壇ノ浦のルールを修正してきた土井さん。新ルールの導入で、パズル性が増しました。ゲームの進行スピードや、トリッキーな捨て駒などの戦略性もあり、なかなかの完成度です。あとは、ボードサイズや駒の数などの調整で、もっとプレーヤーに自由度が与えられると良いとの意見が出ていました。 前回に引き続き、1970年代に米国などで発売されたORIONというゲームシステムの中から、フラッグシップ・ゲーム Orionの紹介です。Orionシステム特有のセグメントを回転させて、囲碁のように地を囲ってゆきます。最初は少し戸惑いますが、Orionボードを使いこなしてうまく軌跡を作っていく感覚が、このゲームの醍醐味だと思います。 第2部 The Game Party ![]() 優勝商品は山本さん多忙なため、今回はありませんでした。 また、研究会が押したため、対局数も少なく、次回に熱い戦いは持ち越しといったところでしょうか。同率で、新福さん、渡辺さん、木下さん、三名が首位になりました。 Feedback †
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