The Ring World (L4)
ゲーム学会第7回ゲーム作品コンペ優秀賞
このゲーム、一風変わったゲームに見えるかもしれません。もし、このボードの数学的美しさに興味を持ったらThe Ring Worldのボードについてのページをぜひご覧ください。なんだか複雑そうに見えても、プレーするのは簡単です。プレーヤーが手番でおこなうのは、一番小さいリングを置いて、自分のリングが乗っているリングを回すだけです。一番中央の大きなリングを獲得したプレーヤーが勝ちです。AUTOにして、画面を眺めているだけでも楽しいかも?? 詳しくは、以下に... Instruction †Flashで作られたゲーム部分は、継続して開発中のプログラムですので、updateされることがあります。ブラウザのキャッシュに以前のswfが残っていると、最新版が表示されない場合があります。ご注意ください。 現在の最新バージョンは、 "Version 1.2 (2011/01/21)" です。ゲームタイトル下にある、バージョンが一致していなければ、おそらく古いバージョンです。 ![]()
簡単な遊び方 †
現在の制限事項など (順次対応していく予定です。) †
History †![]() The Ring Worldは、2009年に当館館長の中島雅弘による考案です。 同じく館長考案の、FlipFlop, RinneTenseiは手軽に遊べる小型のゲームですが、The Ring Worldは、対局時間が30分から数時間と、本格的な戦略ゲームです。 このゲームは、フラクタル形状のボードを使うことや、 オートマトンの考え方を取り入れた、大変ユニークなアブストラクトゲームです。 第7回ゲーム作品コンペ 優秀賞受賞 †The Ring Worldは、2009/12/6、ゲーム学会第7回ゲーム作品コンペにて、優秀賞を受賞しました。権威ある賞を頂いたことを、博物館スタッフ一同、大変光栄に思っております。 コンペでは、数学的な美しさや独創性などのを評価していただきました。 ゲームの複雑な背景や奥深さを、読みとっていただいたことに驚き、とてもうれしく思います。 Special Thanks †数学監修他、奔走いただいた、(当館の監修でもありますが)香川大学富永先生ありがとうございました。 ソフトウェア †The Ring Worldは、駒や板を用いる一般的なアブストラクトゲームと異なり、コンピューターの支援による環境下で遊ぶことを前提にしたゲーム*1です。 本プロジェクトは、Abstract Strategy Games Online Projectの分化プロジェクトといった位置づけです。ルールやゲーム性を評価するために、早期にソフトウェアを作成し、動作を確認しました。FlipFlopとRinneTenseiの時は、Zillions of Gamesを駆使してルールの調整をしましたが、今回はActionScriptだけで作ってあります。 ゲームボードが大きめであること、AI開発などの進行ペースが異なるなど、いくつかの理由で、Abstract Strategy Games Onlineに収録していません。 The Ring World 設計の狙い †The Ring Worldは、コンピューターを使うことで、通常では実現できないような アブストラクトゲームが作れないかと考え、次のような要素を持つことを目指して設計しました。
考案にあたり、ボードの形状だけ先に思いついて、名前を決めていました。命名は、ハードSFの名作、ラリーニヴンの"RINGWORLD"*2をヒントにしています。 それからしばらくの間、いくつかのルールを試作をしました。はじめは、紙で作ったボードでルールを確認していました。当初のボードは、一階層低い小さなものから始めたのですが、ルールを試行錯誤にあたって、コンピューター上で確認しないとおもしろさが判断できず、すぐにソフトウェアの製作をしました。結果、ボードの階層を一段深くして、大きなボードにすることで、ダイナミックで意外な展開の要素を持った、より深みのあるゲームになりました。 BOARD & PIECES †図のような、8個の円(=このゲームではRingと呼びます)を再帰的に組み合わせた、フラクタル形状のボードを使います。初期配置は、左図のように、なにも配置していない状態から始めます。 ボード上にはRingが、最も小さいLevel1から、最も大きなLevel4の4レイヤーがあります。このように、標準サイズのThe Ring Worldは、4次のLevel(Level 4)の構造を持っているので The Ring World (L4)とも呼びます。(右図) Ringの数は、それぞれのLevelに下表のとおりです。
先手プレーヤーは、赤のRingを、後手プレーヤーは青のRingをボードに配置していきます。 手番での指し手 †手番で、各プレーヤーは、二つのアクションをとります。
合法な手があるときにパスすることはできません。 Level1 Ringの配置と、Level2以上のRingの回転を独立にできることに留意してください。配置した場所と、まったく関係のない別の場所のRingを回転させられるのです。 領域の制圧 †
オートマトンによる生成と消滅 †次の条件で、着手後にRingが生成したり消滅したりします。
手番プレーヤーの着手後、オートマトンの世代の評価順序は、下位のLevelから上位Levelに向かって、以下の順序でおこないます。
GOAL †中心のRing (Level4)を占領したプレーヤーが勝ちです。 Ringの時計回りの一方向に回転するルールは、時間が逆戻りしないことをモチーフにしています。これによって、千日手の状態は、起こりにくいゲームとなっています。 VARIANTS †
ルールがまったく一緒で、ボードが1レベル小さいボードを用意しました。 ルールを覚えたり、手っ取り早く決着をつけたい方におすすめです。このThe Ring World Mini*3は、3次のLevel(Level 3)の構造を持っていますので、The Ring World (L3)と呼べます。 ソフトウェアの使い方および遊び方は、正規サイズのものと同じです。 詳しくは、このページの前半をお読みください。 ゲーム進行は、正規サイズのものと異なる印象を受けると思います。 局所での手筋・戦略を修得するには最適です。一方正規版で勝には、広域で通用する戦略が必要です。 この構造では、先手が有利でしょうか...? 現在の最新バージョンは、 "Version 1.2 (2011/01/21)" です。ゲームタイトル下にある、バージョンが一致していなければ、おそらく古いバージョンです。 STRATEGY †The Ring Worldをプレーする感覚は、同じLevelの地の確保は囲碁やTwixT、異なる階層の領域の確保にUpperHandの戦略を加えたような要素があります。 最初は、形勢判断の指標として、ゲームボード右上の、各レベルのRingがいくつあるかを参考にしながらプレーしてみてください。最終的にたどり着く、Level4のRingを獲得するために、Level3のマジョリティ、そのためのLevel2の制覇、と関連があるわけですが、ボード上の模様と、Ringの数値評価による評価が意外と異なっていることに気づかれるかもしれません。Level1,2では完全に負けていても、ゲームとしては勝利を得ている、なんてことも頻繁にあります。 とはいえ、ルールから明確なように、多くのRingを獲得する方が ほとんどのケースで有利になります。Ringを置いていない個所は、回転もできません。 そのため、できるだけ多くのRingを、素早く生成し、勢力を拡大するように指し進めます。 Ringを生成するのは、手番での着手だけではありません。相手の着手によって、Ringが生じることも、また前の手番での着手の2世代後にRingが生じることもあります。複雑に思えるかもしれませんが、着手以外のオートマトンの働きも、読みに含めてください。どのLevel(1,2,3)のどのRingにおいても、隣接するRingは2個か3個の高々二種類しかありません。(Level3は、3個と隣接するところはありません) オートマトンは、それぞれのLevelで独立しています。別のLevelのオートマトンが影響を与えることはありません。 Level1のRingは、着手によって直接配置できますが、Level2以上は、制圧と生成によってしかRingを増やすことができません。また、確保している上位Ringの下位のLevelが制圧されればRingを取り返されますが、制圧されない限りは直接影響を受けません。 序盤は、Ringの生成を優先するか、広範囲に勢力を配置しておく布石を重視するかのバランスはとても重要です。完全に局所を制圧しても、後半には必ずLevel3を5個所制圧しなければならないので、手掛かりがない領域が残されていると、勝ちにくくなってしまいます。ゲームが進行して、高LevelのRingの占領が始まると、 Level1のRingの配置をおざなりにしがちですが、Level1の配置はとても重要です。 また、Ringが少ないうちは、消滅するRingはほとんどありませんが、 Ringが増えるに従い、高LevelのRingは活路の確保が難しく成ります。 この結果、ゲームが拮抗していると消滅と生成を繰り返すことになります。 終盤は、この現象がめまぐるしく生じますので、次の着手と世代の進行によって、 どのように局面が変化するか、じっくりと読んでください。 NOTE †はじめは、静かにゲームが進行していきますが、ゲームボード上をRingが埋め尽くしていくにしたがって、単純な着手から、盤面全体が複雑に変化していきます。 類似のボード形状のゲームがないため、はじめは、ゲームの進行が分かりにくいかもしれません。慣れるまで、頑張ってプレーしてみてください。 特に、囲碁が強い人は、このゲームの感覚を飲み込むのが早いようです。 フラクタル図形について †![]() ![]() 本ゲームのボードは、Ringの中に相似な図形を持つフラクタル形状を成しています。この図形の性質について、The Ring Worldのボードについてで検討をしていますのでご覧ください。 Copyright © Masahiro Nakajima 2009, www.nakajim.net 2009, All rights reserved. SEE ALSO †
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