アブストラクトゲームとは、一般に、盤上やカードを使って遊ぶ、完全情報ゲームで、偶然要素が無いもののことを言います。
ゲームの分類を体系的におこなった研究があるのか、またそれが 社会的に認知されているか分かりませんが、英語で言う所の Abstract Strategy Gameは、文字通り、抽象的な戦略ゲームのことです。
抽象的とは、
ここでいう戦略ゲームとは、
ぐらいの意味でしょうか。
ChessやChecker、囲碁、将棋、五目並べなどは、アブストラクトゲームに分類できます。
アブストラクトゲームは、ゲームを分類するカテゴリーなのですが、 範囲について、さまざまな解釈があるようです。
先述の条件(完全情報)を厳密に考慮すると、
を含まないこととなりますが、抽象的な駒や盤、解釈に紛れがないゲーム
などをアブストラクトゲームだと解釈をする人もいるようです。
一方で、広く普及している
など、専門の研究や書物など情報が豊富であるため、 意図的に、アブストラクトゲームの分類から除いていることもあるようです。
は、たまにアブストラクトゲームから除外されることもあるようですが、 カードを使った完全情報ゲームも多数存在します。
アブストラクトゲームのおもしろさとは何でしょうか。
人それぞれ、ゲームに対する感じ方は異なります。同じゲームを好きと思う人もいれば、ちっとも興味が持てない人もいるでしょう。 アブストラクトゲームに限らず、コンピュータゲームでも、他の趣味のものでも、みなさん主観的な意見があると思います。
どうして、好きか嫌いかを論じてみても、答えは見つかりそうもありません。一方、普及しているゲームは、それなりにおもしろいと 感じる人が多いので普及しているはずです。しかし、ゲームが普及するにはおもしろさだけではなく、 そのゲームに関する情報量
の影響を強く受けます。マーケティングや教育制度のしっかりしているゲームや、近年コンピュータゲームの販売戦略の要にも なっている、複合的な商品販売戦略((ゲームだけでなく、アニメ, コミック, フィギュアやファン集会, コンサートなど、さまざまな 商品、サービスを組み合わせた商品ブランド確立戦略))の成功から、露出の多いものが広く受け入れられることは間違えありません。
ゲームを知ってもらわなければ、遊んでもらうこともなく、もちろんおもしろいかどうかなんて分かるはずがありません。
そこでここでは、ゲームを多くの人が知っているかどうかは考慮せず、おもしろい、と感じる要素にフォーカスしてみようと思います。
他の分野のゲームではなく、アブストラクトゲームの魅力は、その抽象性の高さが上げられます。 あつかう駒やルールの背景に、テーマがなかったり薄いのがいいんです。
小説で書かれたストーリーをマンガや映画で見ると、何日もかけて読むストーリーをわずか数時間で見終わるその簡便さはとても重宝です。 しかし、自分の頭の中で描いていた主人公や、絵になり動き出したとき、自分のイメージとずれていてがっかりしてしまうこともよくあります。*2
人の想像力は豊かですから、行間にかかれずに埋もれてしまった部分や、絵画でも塗り残しの空白の部分に、自分の文字や色をあてはめることができるのです。 できるだけでなく、頭の中の創造行為がとても快適に感じるのです。
なども、同じようにちょっと言い過ぎですが創造的な行為だと思います。
アブストラクトゲームなんだから当たり前なことですが、抽象性なことで、
がアブストラクトゲームの醍醐味ではないでしょうか。
編集者は、音楽の三要素に旋律, 和音, 拍子があります。これらの組み合わせで、人は音楽からさまざまな印象を受けるのですが、 ゲームにも似たような要素があると考えています。
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