#access #analog [[The English page of this game is ready.>Renaissance (English)]]&br; このゲームのご注文は[[こちら>http://www.logygames.com/creators/nakajima.html]] * History [#ed22f3e9] #ref(./101.jpg,left,around,nolink,90%,Renaissance made of tile) #ref(./01.jpg,right,around,nolink,90%,Renaissance) ''Renaissance'' (''ルネッサンス'')は、2012年に当館館長の中島雅弘によって考案されました。 Renaissanceは、地の取り合いのフェーズと、取った駒を配置し直すフェーズの、それぞれが戦略性の深い異なるゲームが1つに完璧に統合された、アブストラクトゲームの新しい方向を目指した、''Integrated Abstract Strategy Game''(''統合型アブストラクトゲーム'')です。 右の写真をご覧ください。Renaissanceは、1~4タイルのPolyominoes(Monomino, Domino, Triomino, Tetromino)を用いた、図形的にも美しく、パズル性、集める楽しさを併せ持ったゲームです。アブストラクトゲームでありながら、麻雀や花札、ポーカー、バックギャモンなどに通じるエキサイティングな要素が特徴です。 このゲームは、2つのPhaseを通して、都市の再開発をモチーフしています。''都市の再生''という意味から、Renaissance(ルネッサンス)と名づけました。 ** デザインの背景 [#b20223f6] 今回は、以下の目標を実現するよう、デザインしました。 - Polyominoesタイルを使ったパズル要素のあるゲームにすること - アブストラクトゲームでありながら、麻雀、花札などのように手役をそろえる楽しさがあるゲームにすること - 1ゲームの中にも、逆転を狙うための戦略的な要素を持っていること - 得点を競うことで、複数セットプレーしたときの逆転劇を演出できること(獲得できる得点の分布を工夫する) - [[Project GIPF]]で試みられている、複合されたアブストラクトゲームを、違和感なく実現する #clear * BOARD & PIECES [#n9b7950e] #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) fig-01 #ref(./fig01.jpg,nolink,90%fig1) fig-02 #ref(./fig02.jpg,nolink,90%,fig2) #div(end) ページの右上の写真が、このゲームで使う用具です。 7x7のボード(fig-01)の中央は、あらかじめ占有されていて、どの駒も侵入できません。48マスがプレーグラウンドです。 Polyominoes(fig-02)を使います。Polyominoesは、正方形のタイルを1~n個連ねたものです。 呼び方は、連ねる正方形の数を表すLatin語の接頭語に -omino とつなげます。 |タイルの数|呼称|裏表・回転を同じと考えた場合の種類|コメント| |1|Monomino|1|1つだけの正方形タイル| |2|Domino|1|皆さんご存知のドミノですね| |3|Triomino|2|3個つながったものです。| |4|Tetromino|5|テトリスで有名です。| |5|Pentomino|12|[[Pentominoes / Quinn]]では、これを使って遊びます| Polyominoesは、6,7,8,9,10,... と、以下ずっと続きます。 Renaissanceでは、Monomino, Domino, Triomino, Tetrominoを使います。 Monominoは、ゲーム中、操作の補助として使うことが主になります。各Polyominoesは、fig-02で示された、形に合ったアルファベットの呼称が定められています。 Monominoは48個、Dominoesは4セット、Triominoesは2セット、Tetrominoesは1セットを使います。 &ref(./02.jpg,nolink,90%,Polyomoninos); 各プレーヤーは、自分の色を選択します。 それぞれのプレーヤーにマーカー(金と銀)が24個ずつあります。 #div(clear) * Game Play [#d78ec598] ** 準備 [#ha519030] |&ref(./fig03.jpg,nolink,90%,fig3);|&ref(./fig04.jpg,nolink,90%,fig4);| #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) #ref(./fig05.jpg,nolink,90%,fig5) #div(end) ''Polyominoの配置'' - %%%銀(Silver)%%%のプレーヤーが先手です - 手番のプレーヤーは、任意のPolyominoを1つボード上に他のPolyominoesと中央のマスに重ならないように配置します - Polyominoesは、回転したり、裏返してもかまいません。 #div(clear) |&ref(./fig06.jpg,nolink,90%,fig6);|&ref(./fig07.jpg,nolink,90%,fig7);| #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) fig-08 #ref(./fig08.jpg,nolink,90%,fig8) #div(end) - 配置できない時は、配置できるように、既に置いてある任意のPolyominoをボードから取り除いて、配置します -- 取り除いたPolyominoesは、この手番では配置できません -- 取り除いても配置できないときは、さらにもう1つPolyominoをボード上から取り除きます - 直前のプレーヤーが取り除く作業をして、配置されたPolyominoは取り除くことはできません &br; すべてのPolyominoesが配置できるまでこれらの作業を続けます。 すべてのPolyominoesを配置したら、残ったマスをMonominoで埋めておきます。(fig-08) #div(clear) ** Phase 1 [#ce130f69] #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) #ref(./fig09.jpg,nolink,90%,fig9) #div(end) 自分の色(金と銀)のマーカーをそれぞれ24個ずつ持ってプレーを開始します。 %%%金(Gold)%%%のプレーヤーから、自分のマーカーを配置します。 注意:&br;%%%先ほどは、銀(Silver)のプレーヤーが先に指しましたが、ここからは金(Gold)が先になります。 %%% #div(clear) #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) #ref(./fig11.jpg,nolink,90%,fig11) #div(end) ''マーカー配置のルール'' + 他のマーカーに重ねてマーカーを置くことはできません。 + 中央のマスには、誰もマーカーを置くことはできません。 + 中央のマスに隣接する8マスには、いつでもマーカーを置くことができます。 + 自分のマーカーに斜めに隣接するマスに自分の駒を置くことができます。 + ボードの最外周に自分のマーカーがある場合、後述のマーカーの挿入ができます。 #div(clear) ''ボードの最外周に自分の駒がある場合のマーカーの挿入'' |&ref(./fig12.jpg,nolink,90%,fig12);|&ref(./fig13.jpg,nolink,90%,fig13);| 隣接する外周上のマス(自駒が乗っているところを含めて3マス)の外側から、マーカーを挿入できます。 同一行/列上のマーカーを、1マスずつ押して移動します。 行/列に空間のあるところまで押し、それ以降後ろの駒は移動しません。 中央のタイルや反対側の縁までいっぱいに詰まっている行/列には挿入することができません。 &br; ''Polyominoesの獲得'' |&ref(./fig14.jpg,nolink,90%,fig14);|&ref(./fig15.jpg,nolink,90%,fig15);| - Polyominoの上がマーカーで満たされたら、その上にあるマーカーがマジョリティー(自分の色のマーカーを多く配置している)を取ったプレーヤーのものになります - Polyominoの上のマーカーが満たされても、お互いのマーカー数が同じ場合(1:1, 2:2)は、Polyominoもマーカーも取り除かずゲーム続行します (後にマーカーを挿入してマジョリティーを狙いましょう。) #ref(./05.jpg,right,around,nolink,60%,05) 獲得時の操作 + ボードからこのPolyominoを取り除いて、獲得したプレーヤーが手元に保管します + この時、このPolyominoに乗っているマーカーも一緒に取り除き、それぞれのプレーヤーに戻します + 取り除いた地には、Monominoで埋めておきます - マーカーの挿入時には、複数のPolyominoesが獲得できる場合もあります。 &br; ''Phase1の終了'' すべてのPolyominoがボードから取り除かれたらPhase1は終了です。以下の得点計算に進んでください。 終盤、どのようにしても、どちらのプレーヤーも獲得できないPolyominoesがあるときがあります。その場合は、 お互いどちらの物にもならないことを確認して、得点集計に進んでください。そのPolyominoesはPhase2で使わないので、 別のところによけておきます。 ボード上に残っているPolyominoにすべてマーカーが配置されなくても、どちらの地であるか明確であるとお互いが合意すれば、Polyominoを分配し、集計に移って構いません。&br; ただし、よく考えてください。獲得できる手順が残っていることがありますよ。&wink; *** 得点集計 - 手役と得点 [#h28d2238] ''基礎点'' - Polyominoes 1枚が1点 ''手役'' #ref(./03.jpg,right,around,nolink,50%,03) |Dominoes|Dominoesを4枚すべて獲得する。|+4点| |Tri-I|TriominoesのIを2つ獲得する。|+2点| |Tri-V|TriominoesのVを2つ獲得する。|+2点| |Triominoes|Triominoesを4枚すべて獲得する。|+4点| |Tetrominoes|Tetrominoesを5枚すべて獲得する。|+15点| |Triple I|Do, Tri, Tetr 全種のIを揃える。(右写真)|+1点 / 1枚Iを追加する毎に+1点| 複数の役ができた場合は、それぞれを合算します。 ''手役と得点の例'' #ref(./fig23.jpg,nolink,手役と得点) ** Phase 2 [#xa63b87f] |&ref(./fig16.jpg,nolink,90%,fig16);|&ref(./fig17.jpg,nolink,90%,fig17);| *** クリーンアップ [#xab2cf5e] Phase1で、ボード上に配置したタイルとマーカーをすべて取り除いておきます。 プレーヤーは、それぞれMonomino1枚と自分のマーカー3個を持って開始します。 Phase1で獲得したPolyominoesは、それぞれプレーヤーの前に置いておきます。 *** 準備 [#rabf93c2] - %%%金(Gold)%%%のプレーヤーから1枚ずつMonominoもしくは、マーカーを置きます。 - 配置するマーカーとMonominoは、既に置かれているマーカー、Monominoesと辺で接してはいけません。 - マーカーとMonominoは、どの順番で出してもかまいません。 - お互い、パスはできません。 - すべてのマーカーとMonominoを出し終えたら次のステップへ移ります。 #div(start,float:right,text-align:center,width:480px) #ref(./fig18.jpg,nolink,90%,fig18) #div(end) *** Polyominoesの再配置 [#q42ed15d] #ref(./09.jpg,right,around,nolink,50%,09) 1ターンは「手持ちのPolyominoesのうち1枚を配置」と「マーカーの移動」というアクションのセットです。(「手持ちのPolyominoesのうち1枚を配置」ができなくなったときは、「マーカーの移動」もありません。) 各プレーヤーは手持ちのPolyominoesがなくなるまで、または、盤上に置けなくなるまで、これを繰り返します。 %%%金(Gold)%%%が先にプレーします。 ''Polyominoesの配置'' - 手持ちのPolyominoes 1枚を中央のマス、他のPolyominoesタイル、マーカーに重ならないよう配置します。 - 配置するPolyominoは、必ず自分のマーカーの辺と一ヶ所は接しなければなりません。 #div(clear) ''マーカーの移動'' |&ref(./fig19.jpg,nolink,90%,fig19);|&ref(./fig20.jpg,nolink,90%,fig20);| - 手番のプレーヤーは続けてボード上のマーカー(どちらのプレーヤーのものでも可)を、縦横に1マス移動します。 - マーカーの移動先には、他のマーカー、Polyominoesがあってはいけません。 - 直前の手番で移動されたマーカーを、戻す操作はできません。同じマーカーでも、元の位置に戻さず、別の方向に移動することは可能です。 ''Polyominoesの配置、マーカーの移動ができない場合'' |&ref(./fig21.jpg,nolink,90%,fig21);|&ref(./fig22.jpg,nolink,90%,fig22);| - どちらかのプレーヤーが手持ちのPolyominoesを配置できない場合は、次のプレーヤーが続けて配置します。 - 移動できるマーカーがなければ、なにもしません。 双方のプレーヤーが配置できなくなったら終了です。次の得点集計をしてください。 *** 得点集計 [#qec5b978] 配置できず手元に残ったPolyominoesのタイルの数が得点になります。 - Domino 1つ残っていると 2点 - Trimino 1つ残っていると 3点 - Tetromino 1つ残っていると 4点 Phase 2 の得点は、減点になるので、点数が多いと喜ばないように。&worried; * GOAL [#o251d05f] #ref(./102.jpg,right,around,nolink,Renaissance made of tile) Phase1の得点は加点、Phase2の得点は減点です。双方の得点の合計点が1ゲームの得点です。 1ゲームの得点 = Phase1の得点 - Phase2の得点 1ゲームだけで勝敗をつける場合は、上記の点の多い方が勝ちになります。 ** 競技ルール [#p2988ad9] 事前にプレーするセット数を決めておき、以下の勝利条件を事前に決めてプレーします。 + 獲得得点の合計の多いプレーヤーを勝ちとする + 獲得セットの多いプレーヤーを勝ちとする 1.のルールを偶数セット((4セットぐらいがおすすめ))プレーするのがエキサイティングです。 #clear * VARIANTS [#fa8ff2a1] ** Phase1 だけをプレーする [#w744fc43] Phase1だけでも、十分におもしろいゲームになります。公式ルールは、Phase1とPhase2を総合して遊んだときにおもしろいルールになるように得点配分をしていますが、Phase1だけをプレーするなら、特別な役も加えてみるとおもしろいでしょう。 例えば、特定の単語ができたら役にするとか、獲得したPolyominoesで、特定の形(例えばきっかり長方形)が作れたら役にするとか。組み合わせてできた、特定の図形(長方形や、穴の空いた図形)の数を得点として加えるなど、いろいろと工夫してみてください。 ** Phase2 だけをプレーする [#ac6dfaeb] Phase2だけでもプレーできます。これも、とてもおもしろいですよ。 この場合、最初に、Polyominoesを分配しておく必要があります。 分配には、例えば次のようにして分類してもよいかもしれません。 - じゃんけんで勝った人が、1つ好きなPolyominoを取り、負けた人が次に1つとります。&br; そして、またじゃんけんで次の1つを取る。 - じゃんけんで勝った人が、1つ好きなPolyominoを取り、それを相手の手札とする。以下、前と同じ。 * NOTE [#l0ddf96d] Copyright © Masahiro Nakajima 2012, www.nakajim.net 2012, All rights reserved. ---- #ref(./07.jpg,right,around,nolink,90%,Renaissance) 小さくて、シンプルで、おもしろいルールを作るのは、とてもチャレンジで大好きです。 でも今回は、アブストラクトで、ストラテジックで、エキサイティングなゲームにしたかった。 役を作ったり、何かを集める楽しさとか、地の取り合い、得点を競いあい、パズル的な要素とか、とてもよくできたRPGのように、それらをみんなうまく組み合わせたゲームにしたかったのです。 Renaissanceには、アブストラクトゲームとしての重要な要素を損なうことなく、盛りだくさんの要素を組み入れられたと思っています。 ゲームの説明、長くなりましたが、プレーしてみると、とても簡単なゲームです。 戦略性も深く、Phase1とPhase2ではまったく異なる頭脳を使わなければなりません。 ぜひとも、遊んでみてください。 ** Special Thanks [#debe4c9a] [[Honey Donuts]]に続き、アーヴァイン・システムズの新福哲氏に、このゲームのテストプレー、バランス調整などに協力してもらいました。 写真のモックは、金駒と銀駒、紫檀の木にラメを貼り付けているのですが、パラパラはがれるんです。&br;&br; このページのタイル製のものは、ギフトボックスの山本さんに制作していただいたものです。&br;&br; テストプレーやゲームバランスの調整を手伝ってくれた人たち、みな顔や手がピカピカになって、有意義な意見をもらいました。ありがとう&bigsmile; * SEE ALSO [#ya679cf8] #related #clear * Feedback [#x00ee0f1] &facebooklike(400x180,action="like",scrolling="yes",show_face="true",layout="standard",colorscheme="light",align="right",float="right",rlmargin="10"); #vote(おもしろい[5],役に立つ[0],興味ない[0],理解できない[1],やってみたい[7],食べてみたい[18]) #vote(おもしろい[6],役に立つ[0],興味ない[0],理解できない[1],やってみたい[7],食べてみたい[18]) //#pcomment_nospam(noname)