Last update: 2017-02-05 (日) 12:11:28
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shogi perfecto iki (ショーギ・ペルフェクト 粋) の誕生 †スペインのNéstor(ネスター)の協力で、長年の夢だった将棋を実現して世に出すことができました。 駒は、将棋の駒の5角形から削り出した形状です。 成り駒の裏面は、スペインと日本の歴史・文化を象徴する、(偶然にも類似する)幾何学的文様を刻印しています。玉の駒は、将棋を象徴する5角形。裏面、1つにはNéstorのイニシャル、1つには私(館長)のイニシャルを入れました。 陣地をさりげなく示している、盤上の4つの星、正方形ではなく縦が少しだけ長い盤の形状、あまり歩、駒台、駒袋もすべて本物としてのこだわりです。 しっかりと重みのあるアクリル製の盤と駒。厚さは、いずれも8mm、ずっしりと贅沢な作りです。一方、駒台は、ほんの少し低く5mmにして操作性と視覚的なバランスを取っています。盤は、約27.2cm x 29.6cm、駒台は10.5cm x 11.7cm 取扱いやすい少し小ぶりなサイズです。 アイス(色)の盤には、チェッカーパターンをこっそりと刻印しています。チェッカーパターンは、チェスの駒の効きが一目で分かる画期的なデザイン・イノベーションです。チェスでははっきりとしたトーンで色分けしているのが一般的な様式です。なぜかモンゴルを除くアジアのチェスの派生には伝搬していません*1。海外のChess&将棋ファンからは、将棋でもチェッカーパターンがある方が、読み手の視界が広がって良いのではという意見が以前から寄せられていました。shogi perfectoでは、この流れも取り入れました。 粋 †江戸の文化は粋を愛して、野暮を嫌います。形式・様式に縛られること、多弁であることなどは野暮の典型です。派手で突拍子もないことは魅力かもしれません。でも、それが前面に出るよりも、江戸小紋や裏地にこだわるファッションに見られるようにさりげなく、分かる人には分かるという表現が粋とされてきました。 元来将棋の駒は、Chessに代表されるフィギュアを駒にしたものやシャンチーといったChessの仲間でのクィーン、ナイトなどといった具象化した役割付けはされていません。玉, 金, 銀, 桂, 香, 角といった宝玉珍品を駒として用いた抽象的なゲームです。shogi perfectoは、文字を使わず駒の働きを象徴、アクリル独特の美しさ、光沢と刻印によるテクスチャーの風合を最大限に活かして宝物の表現を試みました。スーパー・デラックス・エディションを作る機会があったら、これらの宝物を駒にこっそり埋め込むことにしましょう。 あまり将棋を指したことのない方や、これから将棋を覚えたい方は、shogi perfectoの駒は、成り駒の働きがわかりづらいと思うかもしれません。 将棋の成りは、Chessと異なり指している駒をそのまま裏返して使います。また、将棋は持ち駒再利用のゲームです。そして、取った駒は、成駒も元の駒の働きに戻ります。 将棋に熟練して何局か対局したり、詰将棋をたくさん解くとわかってきますが、成駒で区別したいのは、今の働きではなく、元の駒が何であったかということです。 将棋の成駒は、飛車と角行はもとの動きと(重複するところもありますが)玉の動き、それ以外の成り駒は、すべて金の動きですので簡単です。実際、通常の将棋の(飛車、角行以外の)駒の裏側に書かれている文字は、元の駒が何かわかるように書体を変えた金将・金の文字です。 故大山十五世名人は、初心者も成駒を簡単に区別できるように、裏面を赤い文字にすることを提唱されたそうです。プロが使うような高級な駒は、今でも黒字ですが、以来裏が赤字の駒が流通するようになりました。将棋の第一人者が普及のためにさまざまな工夫をされていたのですね。 shogi perfectoでも、刻印に働きを象徴するような文様や、形の異なる2枚のアクリルを貼り合わせる構造を採用することもできましたが、ここでも野暮はいけません。多弁は無用です。 Making of shogi perfecto †2016年9月28日、そう言えば館長がずっと探しているGrande Acedrex(スペイン)を知らないかと、世界の将棋を館長と同じくコレクションしているJosé*2にNéstor Meetingチャットラインで問いかけたのが始まりです。スペインの古いチェスの派生であるGrande Acedrexは、世界中どこを探しても販売されていません。大阪商業大学アミューズメント産業研究所から刊行されている参考文献/世界のチェス将棋展にレプリカの写真があります。そのレプリカ以外見たことがなかったので、スペインのJoséなら知っているのではないかと思いました。JoséはもちろんGrande Acedrexを知っていましたが、どうやら製品はないだろうとのことでした。 その話題を機に、Joséの世界の将棋コレクションの写真がたくさん送られてきます。こちらも一応博物館を名乗っているので、負けじとコレクションを送りつけます。絶対にJoséは持っていないであろう、「日本の大型将棋、摩訶大将棋はすごいだろう。」博物館では、これのレプリカを持っているんだよ どれを作るんだ? Grande Acedrexか? それなら欲しい! 摩訶大将棋か? それはとんでもなくでかいし、駒数も192枚もあるぞ。販売は無理だろう。中将棋はどうだ、コンパクトでかっこいいのができたら欲しいな! などと、どんどん話は広がります。でも、現実的に商品にするなら、最初は将棋をNéstor Gamesのラインナップに加えるのがいいだろうということに。NéstorがデザインしたChessは、とてもモダンでかっこいい。 Bau House ChessとかNéstorのChessをオマージュ、イノベーティブなものにしようと、Néstorと館長の方針が一致します。 よし、Game Market 2016秋に間に合わせよう! そしてネーミングも、検索しやすくて、別の派生将棋と間違えないようにshogiではじまる名前にしようと、こんな候補が:
Néstorいわく、“Huh! All sound terrible in spanish 😀 ” この後も、Néstor Chessシリーズ制作は(おそらく)続きます。次の作品もお楽しみに! Néstor & Masa †Note †Copyright © Masahiro Nakajima 2016, www.nakajim.net 2016, All rights reserved.
将棋とChessの駒の対応 †
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