Abstract Strategy Game Society
開催日 2014年1月18日
場所 東京五反田 アーヴァイン・システムズ会議室
松の内は、すでに過ぎてしまっていますが ... みなさん、あけましておめでとうございます。
年初は、年末同様大学関係の皆さんが忙しい時期で少し静かでしたが、少数の出展ゲームをじっくりとプレー、議論ができて充実した会となりました。
正規/参考出展
時間 | ゲーム | 考案者 | 発表者 |
14:19-14:48 | The Bridge | 山本さん | 山本さん |
14:49-15:07 | Yazhime | Stew Eucenさん | Stew Eucenさん |
15:08-15:25 | 独棋 | Stew Eucenさん | Stew Eucenさん |
15:25-15:42 | Snake Catcher | 渡邊さん | 渡邊さん |
15:43-15:53 | DROMMELS | Fred Hornさん | 山本さん |
15:54-16:10 | San Ta Si | Jacques Zeimetさん | 中島 |
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The Bridge |
山本さんのThe Bridgeは、土井さんの空中回廊からヒントを得ての考案。単に対岸への到着スピードを競うのではなく、途中に救助すべき駒があるのが重要です。この救助駒の配置も、自陣に近ければ救助しやすいのですが、得点は低く、遠ければ相手に捕らわれてしまい相手の得点になりますが、うまく救助できれば高得点という工夫があります。救助駒の配置がゲームの勝敗に大きく関わりますが、橋をかけだしてからはゲームは一気に進みます。橋駒のPoly-ominoタイルの種類と個数などをプレーしながら検討しました。
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Yazhime | 独棋 |
初参加のStew Eucenさんは、パズル作家です。今回出展のYazhimeは、Chessの駒を使った数独型のパズルです。駒の効きに同じ駒を配置できないルールですが、全ての数字が対象的な数独に対して、駒の働きが重要なヒントとなり、どの駒を先に置いていくべきか、推理が楽しいパズルです。
Stew Eucenさんのもう一つの出展ゲームは、独棋。数独を対戦ゲームにしました。ありそうな発想ですが、パズルを解くことを目的としているのではなく、数字を配置できなくなったら負けというImpartial Gameにした独棋は、きっと時間制限を厳しくして遊ぶととても楽しいゲームです。パズルから、対戦ゲームを作る感覚は、常連の出展者にもなかった新しい視点の提案となりました。
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Snake Catcher | DROMMELS |
渡邊さんのSnake Catcherは、Video Gameのスネークゲームさながら、アナログのボード上を蛇が追いかけっこします。蛇の長さと、移動する距離を考慮して移動先を決めますが、蛇の胴体をうまく使って、自分の蛇を防御したり相手の蛇を追い詰めていきます。製品化を考慮してのボードサイズと駒のため、小さな蛇を扱うには、楊枝を使わなければなりません。こうした要素もアナログゲームの特徴で、とても操作が楽しいのですが、ボードと駒のサイズが大きくなると、ゲームの思考に集中できてもっと面白くなりそうです。
オランダのHornさんのDROMMELSは、山本さんが代理で発表しました。ボードを使わず、駒を六角状に配置していく新感覚の4目並べです。ルールは、とても明快で、一度聞けば間違えることはありません。手番で新しく駒を置く操作は、ボードの形を変えること。手番で既存の駒を裏返すことが、並べる駒を配置することです。DROMMELSは、自分の駒、相手の駒のない、いImpartial Gameです。どの駒を裏返すことができるか、その上新しく配置する駒の位置は、相手の次の手を追い詰めることができるか、図形を睨みながらパズルを解くような感覚がとても面白いゲームです。
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San Ta Si |
San Ta Siは、Jacques Zeimet氏が考案した、立体ゲームです。これまでの研究会ではあまり取り上げられなかったジャンルですので、博物館のコレクションから紹介しました。ゲームの考案者は、発想が平面に捕らわれる傾向にありますが、こうしたジャンルは、まだまだ開拓されていないアイディアがありそうです。
優勝は、多くのゲームをプレーして勝数も多かった初参加のStew Eucenさんでした。 優勝賞品は、山本さん作の、Dr.
Su。まさに、Stew Eucenさんのための賞品 。