Abstract Strategy Game Society
開催日 2014年6月21日
場所 東京五反田 アーヴァイン・システムズ会議室
考案されたゲームの出展が2作品と、いつもよりも少なかったため、じっくりとゲームの検討ができました。
正規/参考出展
時間 | ゲーム | 考案者 | 発表者 |
14:04-14:35 | King's Valley Labyrinth | 山本さん | 山本さん |
14:35-15:03 | 猫の負け | Stew Eucenさん | Stew Eucenさん |
15:03-15:26 | Polarity | Douglas Seaton | 正田さん |
15:26-15:56 | ツタンカーメン | Reiner Knizia | 正田さん |
15:56-16:30 | Martian Chess | 中島 | 中島 |
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King's Valley Labyrinth | 猫の負け |
King's Valley Labyrinthは、山本さんの傑作ゲームの1つ、King's Valleyの発展形です。 7x7のボードで広くなったLabyrinthには4つの障壁があり、より戦略性が上がっています。 障壁の働きにより、直線的・攻撃的だったKing's Valleyよりも、 手番の入れ替わりが生じやすくなりました。でも、強力な駒の動きで速攻で決着がつく爽快さは健在です。 障壁の初期配置や、王が囲まれた時に負けになる部分での囲まれ方の定義などの調整を思案中だそうです。 この派生をきっかけに、他にもHexボードでのKing's Valleyなども検討しました。King's Valleyは、 まだまだ面白くなりそうです。
Stew Eucenさんの力作「猫の負け」は、立体Poly-ominoパズル対戦ゲームです。 得意のパズル性の高い基本アイディアをベースに、明快なルールに仕上げています。 研究会では、序盤・中盤の転換が引き締まるようなルールの調整についてさまざまな意見が出され、 第2部、第3部でさらに検討がされていました。 次回、調整したルールの再出展や同じ遊具を使った別のゲームの出展が期待されています。
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Polarity | ツタンカーメン |
厳密にはアブストゲームではないPolarityは、カナダのゲーム会社による磁石を使った陣取りゲームです。
さまざまな物理現象によって、事故が生じるのがとても楽しいゲームです。上達には、
思考力よりも技術の向上が不可欠です。Polarityチャンピオンを目指す人は、厳しい練習の日々を覚悟しましょう。
正田さんお気に入りのKniziaのツタンカーメンは、一見すごろくのように見えますが、2人から6人まで遊べる、れっきとしたアブストラクトゲームです。 最初は経験者に簡単に負かされてしまいますが、数回プレーすれば、誰でもゲームのツボが理解できます。 得点カードを線形に並べたボード上を、各プレーヤーはカードを集めながら進んでゆきます。得点は、各カードを精算するタイミングで決まります。 マルチプレーでは、プレーヤーの順番による優劣が影響しがちですが、巧みにその問題を解決しています。 パーティーゲームとしても、上級者の真剣勝負としても楽しめる傑作です。
博物館からMartian Chessの紹介です。一風変わったルールのこのゲーム、
今後のゲーム考案のヒントになるかもしれません。「火星」でも「チェス」でもない このゲーム、
4人プレーは、戦略の組み立てがなかなか面白いのですが、終局の定義など、ルールの改善の余地がありそうです。
今回から優勝賞品は、 山本さん特製の開催日入り記念マグネットと副賞です。今月の副賞は、 五反田の有名老舗、坂本味噌店の高級味噌せんべい。
優勝は、なんと山本さんが初の栄冠です。「すごく味噌せんべいが欲しかったので、 がんばりました。」とのことです。
2位は正田さん、3位はStew Eucenさんでした。記念マグネットは、山本さんから正田さんに譲られました。
今回の第3部は、ほぼ第2部の延長戦です。アブストラクトゲームをとことんやり倒しました。
当会も無事2年間続けてくることができました。これも、参加・応援してくださる みなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
そして、いよいよ次回から3年目に突入です。3年目からは、次のように ゲーム会の進行を少し変更いたします。
ゲームパーティの景品
ゲームパーティーの優勝商品の記念マグネットを複数集めれば、 山本さんのゲームや、博物館のゲームがもらえる、という制度になります。
獲得できる景品と必要なマグネットの数については、別途ご説明いたします。
研究会
研究会に2種類のイベントを開催する予定です。
1つは、出展されたオリジナルの考案ゲームを深堀りして検討し、 一定期間での優秀作品を選定する「研究強化&選考会」です。
そしてもう1つは、特定ジャンルのゲームを中心に出展・検討する 「テーマ別研究会」です。こちらでは、例えばチェス・将棋と派生 ゲームにフォーカスした会などを予定しています。 「テーマ別研究会」では、博物館が所蔵しているゲームも展示しますので、 お目当てのゲームがある方はお見逃しなく!
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。