Abstract Strategy Game Society
開催日 2015年2月21日
場所 東京五反田 アーヴァイン・システムズ会議室
今回は、高校・大学受験組が勝利を収めて参加してくれたメンバーもいて、ずいぶんと若い顔ぶれです。やはり、この種のゲームは、若い人たちの方が素早く要領を掴み、着手の見落としがないことや、新しい発想によって、検討会もぐ~んと引き締まります。
正規/参考出展
時間 | ゲーム | 考案者 | 発表者 |
14:04-14:34 | Kakomu | 山本さん | 山本さん |
14:34-14:52 | 猫の負け 改 | Stew Eucenさん | Stew Eucenさん |
14:56-15:22 | Doubleting | 土井さん | 土井さん |
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Kakomu | 猫の負け 改 |
Kakomuは、Hexボード上のDots and Boxesスタイルのゲームです。というと、とても古典的な発想に聞こえるかもしれませんが、そこは山本さんらしくモダンな仕掛けがほどこされていて、Dots and Boxesほど単純ではありません。ここ数ヶ月山本さんのこだわりの、「線と交点をあつかうこと」、「中立駒を使って小さなボードでも局面を複雑に組み立てること」は、このゲームでもバッチリ生かされています。加えて、セルを囲んだ後の自駒と相手駒を取り除いてしまうことで、盤面ががらりと変わってしまうところがおもしろい工夫です。研究会では、初期持ち駒の数の調整をおこなって、終盤の逆転劇が期待できるバランスを検討しました。
猫の負け 改は、以前出展した猫の負けのルールを改訂したものです。Nestorの7ライクなルールにすることで、パズル性が高まり、序盤から終盤まで一貫した目的が明らかになりました。この手のパズルゲームは、「あそこに、この駒が置けるぞ」、「こっちの駒なら、こういう置き方もできる」など、外野が口出ししたくてたまりません。対戦を目的とするだけでなく、お互いの持ち駒をすべて使い尽くす協力プレーなど、基本ルールを活かしたさまざまな遊びができそうです。
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Doubleting |
土井さんは、前回出展したマーブル製の駒とボードをつかって、Domineering を新しいゲームに蘇らせました。Domineeringは、単純なルールや解析のしやすさから、研究対象として注目され、すでに解決されているゲームですが、球を使ったDoubletingは、立体上に駒を配置できるので、複雑さが上がっています。最初は着手のとりつき方がわからないのですが、数回プレーすると価値の高いポジションが理解できてきます。終盤や盤面が狭ければ、局所の手の価値よりも読み切りが重要ですが、それまでは価値の高いポジションを取るようにして局面を評価します。しかし、このゲームの不思議なところは、あるところで突然終盤になっていて、気が付くと逆点できないほどの差がついているといった戦いになりやすいことです。コンピューターを使って解析するのも面白そうなゲームです。
第1部が30分ほど早く終わったために、多くのゲームを対戦できました。
優勝は、Stew Eucenさん。2位は中島、3位は3人が同点という熱戦になりました。
第3部は、若者2名が去り、大人の集まりになりました。近くの居酒屋で、日本酒を楽しみながらのゲーム会です。ボードゲームはもちろん、デジタルゲームの話題まで、夜遅くまで話は尽きませんでした。