Abstract Strategy Game Society
開催日 2015年8月15日
場所 東京五反田 アーヴァイン・システムズ会議室
まだ8月ですが、11月のゲームマーケットに向けた準備が始まっています。 どのゲームに力を入れて皆さんに知っていただくかを意識した検討をしました。また、正田さんがKniziaのアブストラクトゲーム2作品を紹介してくださって、第1部が大幅に時間を超過しましたが、大変意義のある研究がじっくりとできました。
正規/参考出展
時間 | ゲーム | 考案者 | 発表者 |
14:09-14:40 | Polyphenic 改 | 土井さん | 土井さん |
14:41-15:23 | Moon-Sun-Angel | 山本さん | 山本さん |
15:23-15:32 | 羊とペリカン | 土井さん | 土井さん |
15:32-16:00 | Tiku | Reiner Knizia | 正田さん |
16:00-16:11 | キャプテンフリントの財宝 | Reiner Knizia | 正田さん |
16:00-16:11 | RED | Nestor Romeral | 所 |
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Polyphenicクリスタル駒 | Pholyphenic三角柱駒 |
前回出展のPolyphenicに、2つの改定案が出展です。先月の検討でもあったクリアのキューブを使うものと、キューブを半分に切った三角柱の駒を使うものです。クリアキューブの導入は、1手の価値が通常キューブに対して0.2〜1.x倍ぐらいになる感じで、戦略性がとても高くなり好評でした。三角柱のものは、配置するポジションやルール上の禁則についての調整が必要かもしれないという意見や、1つのキューブを2色にしてはどうか、クリアキューブと両方使ってはどうかなどと、さまざまな意見がだされました。原案が十分におもしろいゲームなので、これらの派生ルールでさらに魅力が上がりそうです。
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Moon-Sun-Ange |
土井さんの3Dキューブ積み上げゲームにインスパイアされた山本さんが、3Dキューブ積み上げゲームを作りました。オランダ製の豪華なタイルに、家具などを移動させやすくするベアリング・コマを使ってボードを自由に回転できます。キューブに月、太陽、エンジェルが描かれたものを、3列×2か、4列作れば勝ちですが、序盤・中盤は見落としで頓死しないように注意と忍耐が重要です。終盤は、一気に攻め切れるのか、それとも逆転の手が見つかるのかハラハラする展開となります。4段目には、勝ちになる手でしかキューブを配置できないことや、キューブに描かれた絵のコーディネーションが1通り(例えるとフレミングの右手系だけの向き)しかないため、勝てると思っていた並びが実現できないなど、3D要素ならではの面白さがあります。
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羊とペリカン |
羊とペリカンは、研究会で発表、好評だった土井さんのAngleRを11月のゲームマーケット向けに、居椿さんが製品化したものです。羊とペリカンのかわいいイラストが魅力です。イラストには天地があるので、どちらの色をプレーしているかが一目でわかるというところも製品版ならではの工夫です。ゲーム会が終わるころには、名称を略して「ようかん」(羊カン)などと親しみを込めて呼ばれるようになりました。
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Tiku | Clinchという名前で雑誌に掲載 |
KniziaのTikuは、6x6のボード上にそれぞれ6個のルーク(将棋の飛車)を配置して、移動した軌跡にチップを置いていくゲームです。それぞれ14個のチップを持って、先にチップをすべて配置した方が勝ちというシンプルなルールです。一見ゲームは収束するのかという疑問が湧きますが、きちんと収束していきます。また、チップを沢山配置して、相手のチップは相手の手に戻すことに専念していると、ゲームには勝てません。このゲームの要点は、相手のルークの働きを封じ込めるように、自分の駒の配置を優位にできるかということでしょう。
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キャプテンフリントの財宝 | 掲載された雑誌の表紙 |
先のTikuも、「キャプテンフリントの財宝」も、もとはゲーム雑誌に付録として付けられていたゲームだそうです。
Aggression、Riskなどの数による陣取り戦略ゲームを、巧みに抽象化したのがキャプテンフリントの財宝です。先手後手のバランス、マップ上の得点配置のバランスと、作者Kniziaの采配が光る作品です。
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RED |
NestorのREDは、3人で遊べるアブストラクトゲームです。11月のゲームマーケットに出品します。自色の背景の地と丸の地、それぞれの最大の物の得点を掛けたのが最終的に獲得する点数になります。3人でプレーするオフィシャルルールでは、自分の手を優先して広げるブルートフォース戦略が中心になりそうです。掛け算による集計の時には、意外と僅差になっていることが多く、最期まで誰が勝つのかわからない面白さがあります。2プレーヤーで遊ぶ派生ルールが秀逸そうです。
優勝は、第1部の時間が押していたにもかかわらず、短時間で効果的に多くのゲームをプレーし、勝数を積み上げた時田さん。2位は中島、3位は土井さんでした。
館長が先日入手したブラジル発のカードゲームの検討も試みましたが、あえなくポルトガル語に撃沈。今後の研究が待たれます。
豪華中華料理をケータリング?して、ゲームの検討を続けました。
アブストラクトゲームではありませんが、Nestor Gamesの新作Asterion, Arcadeも入荷して、11月のマーケットで販売します。今回は2〜4人で遊べるカードゲーム、Asterionをじっくりと検討しました。ルールの解釈に疑問が生じ、改めてNestorに問い合わせる必要がありそうです。時間が足りなかったArcadeは次会の検討を予定しています。