HIPはマーチン・ガードナー氏によって、発明されたゲームです。
1960年ごろに、Scientific American誌上の数学ゲームで紹介されました。参考文献/My Best Mathematical and Logic Puzzlesに再掲されています。
Square(= 正方形)ができてしまったら負けになるこのゲームを Hipと名付けた理由は、"because of the hipster's reputed disdain for squares" (流行の先端をいくHipな人たちが Square=四角四面でまじめな人たち を馬鹿にする傾向があるから)、という、ガードナー氏独特のジョークです。
参考文献/世界のゲーム事典では、スクェア(Square)という名称で紹介されています。
オリジナルのルールでは、6x6のマスが並んだ正方形のチェッカーボードを使います。
それぞれのプレーヤーは、それぞれ赤と黒の色の駒(相手と区別がつけば何色でもかまいません)を18個ずつもちます。紙の上でプレーする場合は、自分を識別できる文字、記号、色をつけていきます。
手番のプレーヤーは、開いているマスに一つずつ駒を置きます。
着手は交互でパスはできません。
自分の手番において、自分の色の四点を結んだ四角形に、一つでも正方形が出来上がってしまったら、負けになります。できる正方形は、斜めに傾いていても、どのようなサイズでも、正方形とみなされます。
赤が勝った例
6x6ボード中、4個のマスを選んでできる正方形の組は、105個あります。
「真似碁」(相手の手をそっくりそのまま点対称にまねる)戦略が使用できるため、偶数盤を使用するこのゲームは、後手に圧倒的に有利(間違いを犯さなければ、勝つか、引き分けになります。)です。
ガードナー氏本人が、このゲームのリリース後何ヶ月間も、「引き分け」はない、と思っていたところ、オクラホマ大学で数学科の学生であった
C. M.
マクラリー氏が、このゲームが、「引き分け」で終了することがあることを発見し、デモンストレーションしてくれたということです。「引き分け」で終了するパターンは、「基本的にたった一つ」である、とガードナー氏は言っています。
最近では研究者たちが、この「引き分け」スコアを、コンピュータを使って解いていますが、「引き分け」で終了するパターンは、どうやら全部で3つあるらしい、ということが分かっています。
ダウンロードできるリソースに印刷して使える、HIP 6x6, 7x7と5x5のボードがあります。