アブストラクトゲームとは、一般に、盤上やカードを使って遊ぶ、対戦相手同士で情報が公開された完全情報ゲームで、偶然要素が無いもののことを言います。
ゲームの分類を体系的におこなった研究があるのか、またそれが 社会的に認知されているか分かりませんが、英語で言う所の Abstract Strategy Gameは、文字通り、抽象的な戦略ゲームのことです。
抽象的とは、
ChessやChecker、囲碁、将棋、五目並べなどは、アブストラクトゲームに分類できます。 これらに限らず、アブストラクトゲームの多くは、ボードゲーム(盤上ゲーム)です。
将棋やチェスは、戦争ゲームと捉えることもできますが、あつかう駒は実に抽象的です。 将棋の玉、金、銀、桂、香は、いずれも宝物です。また、タイの将棋=マックルックでは、歩兵にあたる駒に貝殻を用いたり、その他の駒は種や根などの意味のものを使用します。
アブストラクトゲームは、ゲームを分類するカテゴリーなのですが、 対象範囲について、さまざまな解釈があります。
条件を厳密に考慮すると、
となりますが、抽象的な道具*1を使う解釈に紛れがないゲーム
などをアブストラクトゲームだと解釈をするケースもあります。
は、多くの場合対戦相手に対して隠匿情報を持つため、アブストラクトゲームから除外されるのが一般的ですが、 カードを使った秀逸な完全情報ゲームも存在しています。こうしたゲームは、アブストラクトゲームとしてあつかうのが妥当でしょう。
一方で、広く普及している
などは、専門の研究や書物など情報が豊富であるため、 意図的に有名になったゲームを明示してアブストラクトゲームの分類から除かれることもありますが、当館ではアブストラクトゲームの代表としてあつかうことにしています。
当館でのアブストラクトゲームの分類については、アブストラクトゲームの種類を御覧ください。
また、アブストラクトゲームとその他の室内ゲームとの関係については、ゲーム理論と室内ゲーム、アブストラクトゲームと類似のCombinatorial Gameについてもこれらのページをご参照ください。