H.J.R. Murray with Chapters by B. Goulding Brown and H. Golombek
Oxford University Press, 1963
チェス歴史研究の第一人者 Murrayは、1913年に出版されたA History of Chessという、チェス歴史研究のバイブルとなった本を著しています。しかしこのA Short History of Chessは、その要約本ではありません。 Murrayの死後発見された、1917年に書かれた原稿と、Brown と Golombekによる1866年以降の近代・現代の章とをまとめて、1955年に出版したものです。
の、チェスの誕生からルールの変遷、世界への伝播についてまとめた、チェス歴史研究バイブルです。チェスというゲームは、いつ、どこで、誰によって、どのように発明され、今知られる形となったのか…。今でもまだはっきりしたことはわかっていませんが、Murrayがこの本で、歴史の記録や文学にある記述の調査結果を体系だってまとめ、「チェスは6世紀ごろ/以前にインドで生まれたもの(しかもそれは自然発生的に生まれたのではなく、北インドのある哲学者が考案したものである、としています)である」と唱えたことで、「チェスは6世紀頃インドで発生した」というのが、現在も定説になっています。