Project GIPFの最初の、また中核のゲームとして、ベルギーのゲーム・デザイナー Kris Burmによって1997年にリリースされました。
GIPFは単独のゲームとして遊ぶだけでなく、拡張駒を使ったUltimate GIPFや、Project GIPFの他のゲームとの組み合わせによる、複合ゲームを楽しめる設計になっています。
写真のような円形のプラスチック駒と厚紙のHex盤を使います。 各プレイヤーは、各自白または黒の自駒を、18個ずつ持ちます。
持ち駒を2個重ねたものを、GIPF駒と呼びます。単独の駒を通常駒と呼びます。
盤上のプレイ・エリアには、37個の交点があります。駒は、必ず交点上に置き、線に沿って移動します。
盤の端には、24個の始点(黒丸の点)があります。これらは、プレイ・エリアには含まれません。始点は、盤上のプレイ・エリアに送り出す前に、一度駒を置くところです。
盤上の線は、各交点から駒が動くことができる方向を示しています。
トーナメント・バージョンでは、プレイヤーは自分の色の駒を18個ずつリザーブし、盤上には駒が置かれていない状態でゲームを開始します。
くじ引きでどちらが白か黒かを決めます。 白が先手です。
GIPFのルールには、ベーシック(GIPFの遊び方を学ぶのによい、もっとも簡単なバージョン。駒は各プレイヤー15個ずつの通常駒しか使いません。GIPF駒は使いません。ページ下の写真の初期配置から開始します。)、スタンダード(ベーシックのルールに、GIPF駒を導入させたもの。駒はトーナメント・バージョンと同じく、各プレイヤー18個ずつ使用します。)、トーナメント(Advanced Players向け)の3つのバージョンがあります。
ここでは、オフィシャル・サイトが "Real Game"として推奨するトーナメント・バージョンを中心に紹介します。
先手後手とも、初手は必ず、リザーブから2個の駒を取り出して重ね、GIPF駒を作って盤上に出します。
1つの始点の上に置き、そこから線に沿って1つ先に隣接する交点まで駒を進めます。
GIPF駒は、いくつでも、盤上に出すことができますが、自ターンで一度通常駒を出したら、以降、そのプレイヤーはずっと通常駒を出さなければなりません。
通常駒もGIPF駒も、1ターンに1個だけ、1区間だけ動かすことができます。
駒を盤上に出すときは、必ず始点に置いてから、1つ隣の空いている交点か、すでに他の駒(黒でも白でも)によって占拠されている交点のどちらにも出すことができます。
占拠されている交点に駒を進めるときは、すでにあった駒を進行方向に1つずらします。ずらしたい方向に他の駒が2個、3個…と連なって置かれていた場合は、それらの駒も同じく1つずつ進行方向にずらします。
1列すべての交点が駒で占拠されている状態で、その列に新しい駒を出すことはできません。(盤の外に駒を押し出すことはできません。)
いったん盤上に置かれた駒は、単独で動かすことはできません。盤上の駒は、始点から新たに盤上に出された駒によって動かされるだけです。全ての盤上の駒は、白駒か黒駒かに関わらず、通常駒、またはGIPF駒のどちらかによって動かされます。
自分の駒か敵の駒の動きの結果、その動きの原因となったのが自駒であっても敵駒であっても、盤上で同色の駒が4つ1列に並んだら(「始点」においた状態の駒は数えません)、それらは盤上から取り除かれます。(Fig.1-1)
並んだ4つの駒か、またはその4駒に直接つながった駒の列にGIPF駒(図中の二重丸の駒がGIPF駒)が含まれていた場合、通常駒が強制的に盤上から取り去られるのに対して、GIPF駒は、そのままの場所に残しておくことも(Fig.1-2-1)、盤上から取り去ることも(Fig.1-2-2)できます。(これが、GIPF駒と通常駒との唯一の違いです)
さらに、同色で並んだ4駒の前後に、他の駒(白でも黒でも)が間をおかずに連なって置かれている場合(Fig.2-1, Fig.3-1)、それらの駒も盤上から取り去られます。隣接していても、4つ同色がそろっていない駒は、取りません。(Fig.3-2: 同色で4つ並んだ中に含まれていたGIPF駒を盤上に残しておいた場合です。)
盤上から取り去った自駒は自分のリザーブに戻し、敵駒は捕獲します。
プレイヤーは互いに、自分のリザーブがいくつあるのか、敵に常に見えるようにしておかなければいけません。
同色で並んだ4駒の前後に隣接して並んだ敵駒がGIPF駒である場合があります。(Fig.4-1)
敵のGIPF駒も盤上に残しておくことが可能です。(しかし敵のGIPF駒を残しておくメリットのあるケースはあまりないようです。)
自分のGIPF駒を取り去る場合、それは2個の通常駒としてリザーブに戻されます。すでに通常駒を盤上に出し始めている場合、これらを再びGIPF駒として盤上に出すことはできません。
白駒の動き(Fig.5-1)の結果、白は1つまたは3つの黒駒を捕獲し、4つまたは6つ(GIPF駒については、取り去るか残すか選択できます)の自駒をリザーブに増やすことになります(Fig.5-2)が、盤上からは4つまたは6つの自駒を失うことになり、盤上での勢力はそれだけ弱くなります。
Fig.5-3は、白が自分のGIPF駒は残して4つの自駒リザーブに戻し、GIPF駒も捕獲して全部で3つの黒駒を捕獲した図です。
2列一度に、4駒同色がそろうことがあります。 2列が互いに交わらないのであれば、両方同時に盤上から取り去られます。
2列が交わるのであれば、権利のあるプレイヤーがどの列を取るか決めて、一方の列を取ります。(Fig.6-1, Fig.6-2)
2列の交点がGIPF駒の場合は、GIPF駒を残した状態で、取る権利のあるプレイヤーが先にどちらかの列を取り、次のもう一方の列をとります(このとき、2列の交点にあったGIPF駒を取るか取らないか、決めます)。(Fig.7-1, Fig.7-2)
白黒両方の駒が4個ずつ並び、両プレイヤーとも自駒を盤上から取り去る必要がある状態になったら、その状態をつくり出したプレイヤーが先に駒をとります。
また、4個かそれ以上のGIPF駒ばかりで同色の1列ができあがることがあります。 この場合は、そのうちいくつかのGIPF駒を取ることもできますし、全て盤上に残したままにすることもできます。
全部盤上に残して、次のターンがきてもまだそこに同色GIPF駒4個以上の列がある場合、そのターンでそれらの駒を取ることもできます。
リザーブに駒が1つもなくなるか、盤上に自分のGIPF駒が1つもなくなったプレイヤーが負けです。 つまり、敵の最後のGIPF駒を取るか、敵のリザーブを枯渇させれば勝ちです。
※ 自分のリザーブをいくら増やしても、ゲームに勝つことはできないことに注意しましょう。敵駒を取ることによって勝つのです。
盤上のGIPF駒が消滅するか、リザーブが枯渇するかが最初に起こったターンで決着がつくため、引き分けになることはありません。
ここでは、Project GIPFのオフィシャルページに書かれている戦略を、簡単に紹介します。
盤上の駒を動かすためには、新しい駒を始点から盤上に登場させ、後ろから押してやるしかない、という動きをしっかり理解することが大切です。
盤には決まった向きがありませんから、全ての列をいろいろな方向から眺めること。
盤にある駒がもっとも価値が高いということを理解しましょう。できるだけたくさんの駒を盤上においておくことが大切です。敵の駒をなるべくたくさん捕獲し、なるべく最小の自軍ダメージで、敵駒をリザーブに戻させる(盤上の敵の勢力を弱める)ように仕向けることが有効です。
駒が取り去られるときは、大量の空きスペースが新たに現れ、新たな配置を構築するチャンスが開けます。
GIPF駒を多くもつということは攻撃力が高くなることになりますが、その分リザーブを切り崩していることも忘れてはなりません。3-4個のGIPF駒を出しておくと、バランスがよいようです。
GIPF駒を中央に持っていると有利ですが、同時に、中央は全方向からの攻撃を受けやすい場所でもあるため注意が必要です。特に、敵を捕獲したあとは、自分の防御の一部も切り崩しているということです。
GIPF駒を盤上からリザーブに戻すことを必要以上に恐れることはありません。 相手の駒を捕獲するよりも、リザーブを枯渇させることのほうが簡単なのです。 特に終盤戦では、GIPF駒を盤上から戻して、リザーブを2個一度に増やすことには大きな意味があります。 少なくとも、リザーブに1個、盤上に1個のGIPF駒を、残しているようにすれば、負けることはありません。
パッケージ内のマニュアルには、ベーシック・バージョンのルールのみが記されています。その他のルールは、Project GIPFのオフィシャルサイトで確認できます。
追加のルールや、各種イベント情報などが掲載されています。