フォー・ピース (Four Pieces) は、2011年1月に岡村正敏氏によって考案されました。 ダーツ用具を扱う会社を経営する氏は、ダーツの的からヒントを得て、円形ボードを使ったゲームを閃いたのだそうです。考案当初の名称はMOP*1 (モップゲーム)でしたが後に名称を変更されています。
写真の円形ボードを使います。ボードには、プレーフィールドと、スパイ駒を置く所、得点駒を置く所が統合されています。
2人で遊ぶゲームで、お互いボードを挟んで向かい合うように着席します。
各プレーヤー40個の駒(黄、赤)を持ってゲームを開始します。
はじめに、プレーヤーはお互いに、1つの駒を交換しあい受け取った駒を、自分の側のSPYの 円に入れておきます。
次に、先手プレーヤーがプレーフィールド上の交点に自分の駒を10個置き、続けて後手が10個置きます。(この時点では、後述する役ができても得点にはなりません。)
それぞれ、最初の10個を配置し終えたら、バトル開始!! ここからは、それぞれのプレーヤーが1つずつの駒を置いていきます。この際、自駒に加えてSPYに1つ置いてある相手駒も配置することができます。
獲得した得点は、プレーフィールドの周囲にある得点インジケーター上に得点用のマーカーを置いて、 常に状態がわかるようにしておきます。
最終的に得点の高いプレーヤーの勝ちです。
このゲーム盤を使って異なる遊びも提案されています。
4人で対戦するルールもあります。
初期配置から熟考が必要な戦略性の高いゲームです。 得点を継続できる形を目指す攻め指向の布石と、相手を減点に導くような守りの形。 何度がプレーしてなれてくれば、定石形を発見できることでしょう。
終盤は、大きく得点が増えたり減ったりという形が現れるため、手を読み切る力が要求されます。 終盤のここぞというときのためにSPYを温存するのですが、あまり温存しすぎていてもチャンスを逃します。
最初に10個ずつ配置する、スパイ駒がある、個性的なボードデザインなど、 歴史的なアブストラクトゲームにはないアバンギャルドなゲーム設計です。
ゲームの進行において、できあがった役(「ストレート」、「ボックス」)を発声するルールからは、 対面のコミュニケーションを重視する考案者の姿勢を垣間見ることができます。 また、得点表示の分かりやすさなど、ボードの特徴を生かしてゲームをテンポよく進められるように 配慮された、考案者の情熱を強く感じるゲームです。