Ponte del Diavoloは、Martin Ebelによって2007年に考案されました。彼の知人である、Alex Randolph作 TwixTに強く影響を受けたゲームです。 TwixTは、ボードの対岸を接続するのが目的のコネクションゲームでしたが、Ponte del Diavoloは、接続した自領(島)の数によって得点が決まるゲームです。
2008年から、Rio Grande Gamesが版権を取得して販売しています。
2008年の12月に、アメリカのゲーム雑誌 GAMES magazine誌上で、2009 Games of the Year and Other Awards Best New Abstract Strategy Gameを受賞しました。
7x7のボードを用います。赤いタイル、白いタイル、アーチ形の橋を同じアイテムごとに分類しておきます。
先手・後手の不平等を除くため、オフィシャルルールで、パイルールが規定されています。
以降それぞれのプレーヤーは、 次の制約に従い、順に、二枚のタイルを置くか、橋を一つ架けるかします。
その前に用語の説明です。
タイルが置ける位置は、以下の条件をみたさなければなりません。
橋が架けられる所は、以下の条件を満たします
白のプレーヤーが置けるタイル、橋が無くなったら、赤の手番を一度おこない、ゲームが終了し、点数を数えます。赤の手番で合法手が無ければ、白の手番を待たずにゲームが終わり、点数を数えます。
橋によって接続された島の数と他の島とつながっていない島の数で、点数を決めます。 n個の接続した島の点数S(n)は、初項1, 交差1の等差数列の級数で与えられます。タイルが一個のときは、点数を得られません。
S(n) = n(n + 1)/2
つまり、橋の掛っていない孤立した島→1点, 2個→3点, 3個→6点, ... といった具合です。
高得点のプレーヤーが勝ちです。
得点が同じ場合は、島が多い方の勝ち。島の数も同じ場合は、橋の数の多い方。橋も同じなら、引き分けです。
囲碁での大局観に似た差し回し、実利か厚みかの評価が重要なようです。。
早い段階から、地の衝突が起きますので、一手で複数の狙いを持った含みのある手を指し、後の選択肢を残せる厚みを築くか、島を積極的に繋ぐ実利を取るかが重要です。
島の連結は、等差数列の級数によって接続すればするほど高得点になりますし、橋を架けることで相手の手を限定できます。もちろん、橋によって自分の手が限定されることに注意が必要です。連結による高得点を狙うというより、相手に一方的にたくさんの島を連結されないよう、追従できる手を持つことが重要です。
Ponte del Diavoloは、意味をそのまま訳すと「悪魔の橋」という意味になります。領土を橋で結ぶことが目的のゲームですので、このような洒落たネーミングになっているのでしょう。国内では、メビウスゲームなどから、「ディアボロの橋」の名前で輸入販売されています。
ルールの明快さ、ゲームのモチーフ、戦略性、いずれも傑作ゲームに必要な要素を持った秀作です。7x7のボードでは、30分程度でゲームの決着がつく手頃なゲームになっています。同じルールで、より広いボードで遊ぶと、もっと深みのあるゲーム戦略を駆使できるかもしれません。