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一松 信
森北出版株式会社 (2003/9) (1968/11)
1968年に出版された原本をPOD版として復刊した一冊。Nimをはじめ、同様のゲームを十数点とりあげ、それぞれの数理を考察しています。もともと、大学の講義であつかわれた題材をまとめたので、数学的内容の濃い本ですが、平易な表現とわかりやすい編集により、数学的な記法になれれば、中学生、高校生でも理解できる個所がほとんどです。ゲームの数理を研究する意義や、コンピューター技術への応用についても言及されています。
本書には、FORTRANによるプログラムも掲載されています。巻末には、計算機にゲームをさせることの意義や、将来複数のコンピューターを接続して、よりよいプログラムにする手法や、自動プログラミングなどにも言及しています。68年当時ですので、コンピューターを使うにも、現在のPCのように占有できるコンピューターはなく、もちろんネットワーク接続されたコンピューターもなかった中、コンピューターの発展の方向を洞察していた著者の視点には、ただただ驚くばかりです。