Gygès は、Manaと同じ Claude Leroy 氏により1984年に考案され、1985年にJactaleaから発売されています。
1985年の Concours International de Créateurs de Jeux de Société にて大賞を受賞しています。
駒の形状が指輪型をした製品もあり、タイトルのGygesは、プラトーンの著書「国家」に出てくる架空の指輪Ring of Gyges = ギュゲースの指輪をモチーフにしていると考えられます。
2人で遊ぶレースゲームです。
写真のような、6x6のボードと、1,2,3個のリングからなる駒をそれぞれ4個ずつ使ってプレーします。
駒は、どちらのプレーヤーに属するわけでもありません。 写真のボードでは、それぞれのマスが縦横隣のマスと繋がっているのが見て取れます。 また、一組のボード端の対辺は、マスが外側に脱出できるように繋がっています。この、辺ある段をお互いのスタート位置とします。
初期配置は、ボードには駒は一つも置いていない状態です。お互い1,2,3個のリング駒を2個ずつ持ち、先手後手が一つずつ順番に自分のスタートする段に任意に配置します。すべての駒を配置し終わると駒の移動フェーズになります。
各ターンで、それぞれのプレーヤーは、一つの駒を選択して移動します。 駒は、自分のスタートラインにもっとも近い段にある駒のみ選択できます。
駒は、縦横(4方向)に自由に移動できます。移動できるステップは、リングの数とピタリと同じ数です。移動中に方向を変えてもかまいません。
移動の途中経路に別の駒がある場合は、そのマスを通過できません。
駒が、最終的に移動したマスに駒がある場合は、二つの選択があります。
自分の手番に、初期配置で相手が配置した最終段から一つ奥の段(写真のボード上にはマスがなく、ボードの外側に一段あると考えてください)に先にピタリと駒を移動できれば勝ちです。
このゲームは、Bounceの連鎖が気づきにくく、慣れないとうっかりして突然ゲームが終了してしまうことがあります。そのため、「うっかり」によってゲームが終了してしまった場合は、待ったができるというバリエーションがあります。手を戻してみて、どうやっても相手の勝ちが防げない状態になったら、相手の勝ちとします。
本ページの展示品は、Julien Kloetzer氏から貸与されたものです。
写真の駒とボードは皮革製ですが、木製のものもあります。
Gygesは、相手の駒と自分の駒という区別がない、 レースゲームとしてもとても珍しいスタイルのゲームです。 駒と駒の連携によって、あっというまに決着がついてしまうことも よくある、大変スピーディーで、おもしろいゲームです。