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博物館は、2015年のNestor Meetingを中心に、欧州のゲームクリエイターとの会合やゲームショップ散策の旅をしてきました。
現在、日本からスペインには直行便がなく、ドイツのDusseldorfを経由してBarcelonaで一泊、それからNestor Meetingの開催地Zaragozaへ向かいます。
ドイツの空港は、どことなく殺風景。広告用のオブジェなのでしょうが、これだけが妙に目立ちます。
場所: Zaragoza, Spain
日時: 2015/10/2 - 2015/10/4
参加者: Néstor Romeral Andrés, Ken Shoda, José Manuel Astilleros García-Monge, Masahiro Nakajima, Tchié Tokoro, 他多数
当初Meetingの開催を予定していたホテルでNéstor, José, 正田さんに、Masa, Tchiéが合流。Spainと言えばタパス。Nestor, 正田さん、Joséの3名は、すでにたらふくタパスを堪能していたのですが、Masa, Tchiéは腹ペコ。到着するなり、彼らが今出てきたばかりのタパスバルに再び全員で突入!
お腹が落ち着いたところで、プレゼント交換。日本から将棋、花札、お箸、レターセット、ひらがなステッカー、乗り物や着せ替えステッカーなど盛り合わせを持って行きました。NéstorもJoséも小さな子どもがいるので、とても喜んでもらいました。Néstorからは未発表パズル「transmission」をプレゼントされました。パズルに力をいれたいNéstorは、Néstor Puzzleという新しいレーベルを立ち上げるそうです。
タパスバルで、早速中島の新作 「Fano330-R-Morris」を試遊。Fano330-R-Morrisは、Game Marketで配布するフリーブックレットのボーナスゲームとして掲載するために作ったゲーム。博物館に掲載していない未発表作を先んじて検討です。自分の手番では、勝つことができないMiserableなルールを採用したこのゲーム、3人の賢人にもとても好評で、Néstor Gamesから発売したいと言っていました。乞うご期待!
ホテルに戻ってからは、Néstor Meetingの後に訪問するLondonで会う予定のStephenのゲーム Four, Web Files, Genius Loci, 正田さんのGlaisher, Cairo Corridorなどをプレーしました。 Web Fliesは4人で対戦しましたが、本来の2人対戦向きだという感想です。
会場はPool&Drinks Zaragoza
Nestor弟, Nestor父なども参加して、ざっと10人ぐらいでスタート。
途中から子供多数乱入、大変な賑わいになりました。日本から持って行った山盛りのお菓子が大好評、あっという間に売り切れました。大人も子供も入り乱れ、じっくりゲームを堪能。 Nestor弟, Nestor父には、中島作のVaranasiが大人気で、何回も繰り返し遊んでいます。弟からは、派生ルールのアイディアも飛び出す気に入りようです。
時間も十分にあるので、Nestor Gameだけでなく、さまざまなゲームに挑戦です。
ホテルも同室のJoséと正田さんは、たくさんのゲームを対戦しています。(この二人は、ミーティングの時間外も、寸暇を惜しんでゲームの検討をしていました。すごい!
)
Nestorからもパブリッシュされている囲碁ボードも使って、José囲碁デビュー。囲碁は本で勉強しただけとのことだが、相当な腕前に感心です。
中島とJoséは、DuploHex, Amoeba, FlipFlop お互いデザインしたゲームを紹介しあいプレー。五反田でのAbstract Strategy Game Societyでも好評のDuploHexを初対戦しました。通常のHexを1つのボードで2面指しするかのように進行しながら、終盤のうっちゃり技がとても面白いゲームです。2戦しましたが、作者には歯がたたず鍛錬が必要です。 また、Joséにとっては初めてのAmoeba、1局目はお互いの見落としがありましたが、ルールを覚えるには十分な程の良局。続く対戦は大熱戦の好局となりました。DuploHex戦の雪辱となり、いずれも中島の勝利となりました。
日本からお土産として持って行った将棋を、ぜひ対戦したいとのことで、NéstorとJoséと順に対局。漢字の表記がわかりにくそうで、手元の駒の動きの表と照合しながらの進行です。どちらも、ルールをキチンとマスターして、定跡と囲いを覚えれば、とても強くなりそうです。
さらにお土産の花札の歴史も解説し、Néstorと正田さんは「こいこい」をプレー。 途中から、Néstor側に中島がついて、逆転勝ち。11月-柳の絵柄が4枚異なっている不思議なところが受けていました。
とにかくこの日は、著名ゲームデザイナーの頭脳とたっぷりと対戦、アドレナリンがでまくりです。
あいにくの雨模様、それも気にせず市内やカテドラル周辺の市場などを散策しました。地元民Néstorがばっちりと解説してくれて、生ハム、チーズ、クッキー、季節の栗を使ったお菓子などなど、掘り出し物をいくつも調達しました。
Néstorの3日間べったりとアテンドしてくれたホスピタリティーに感謝です。地元民がフルアテンドで案内してくれた滞在は、ガイドブック片手にちょいと観光で回るのとは全く別格の充実度でした。ぜひ次回は、彼らにも日本に来て欲しいです。Néstor Meetingは1年に1度ですが、我々のGame Partyは毎月やってますよ。
さて、ZaragozaからBarcelonaへは、AVE(日本の新幹線みたいなもの)で移動します。別行動の正田さんとは、Barcelonaのディナーで合流。ここから正田さんは、ドイツのEssenを目指します。
Barcelonaとこの後訪問するParisでは、市内を散策する中ゲームショップめぐりです。
Balcelonaでは、市の名士の案内で市内を見学しました。 まずは、一般の旅行者では訪問できない劇場の会員制プライベートエリアに突入です。ここでは、とにかく建物や家具の創り、展示されている彫刻・絵画のすごさに圧倒。
地中海に面していて、日本と同じく豊かな自然の恵み、季節の野菜や魚介を愛するBarcelonaの人々。週末の市場は、鮮魚店のほとんどは閉まっていますが大変な賑わいです。今はきのこの季節
、生のきのこ、乾物、よりどりみどりです。中でもモリーユとセップ(ポルチーニ)は旬、これで美味しいシャンピニオンソースが作れるぞ。
市内の見どころは、高級店が立ち並ぶAvinguda Diagonal(銀座4丁目のようなところ)と、なんといってもガウディの残した建物たち。Avinguda Diagonalは直訳すると、「斜め大通り」といったところでしょうか、碁盤の目型都市のBarcelona市内を、斜めに突き抜けています。
Barcelonaの名士の案内で、こちらも特別に本日開店の高級宝飾店の開店前に入店、朝からシャンパンのサービス付きで店内の隅々を見学させていただきました。「あー、高級っていうのはこういうことなんだぁ」
Barcelonaに来て、ここは外せません。高層建築がない市内に、100m程の不思議な建造物がにょきにょき生えています。外部にはさまざまな彫刻・装飾、内部は至ってシンプルで美しい。光、色、素材、どれも見ていて飽きません。
名士の別宅におじゃましました。エレベーターを降りるなりいきなり巨大な牙。中島「象牙ですか?」、名士「いえ、マンモス♀の牙です。♂は、くるりんと丸まった牙になります。」。「えぇ〜。触らせてください!」と記念撮影させていただきました。
市内は電動自転車で廻ります。カタローニャ地方がどのような歴史を辿ったかの話も聞きながらの見学です。
宿泊先は、国際的な画家の元アトリエ。部屋の中に作品がたくさん。贅沢な環境です。
前日来た、サグラダファミリアを通り越して、Barcelona市内で行けそうなゲームショップJugar X Jugarに。 途中ミニチュアゲームの専門店を通り越して、ガウディがデザインしたPark Guelを目指します。
Jugar X
Jugarに到着。きれいな店作り。入り口近くは、子供受けするような可愛らしいゲームをたくさん置いて、奥に行くに従ってハードボイルド色が増していきます。ドイツゲームはやっぱり人気。
Park Guellは、街の中心部から少し外れた所、そこから1時間半ほど歩いて戻ってきます。 街の中心部にも見どころがたくさん。ローマの遺跡、コロンブス広場。
観光地であるBarcelonaには、土産物店がたくさんあります。ほとんどは、インド系の人が店員さん。グロッサリーストアの店員さんはアラブ系です。
場所: 大英博物館近く, London
日時: 2015/10/8 15:00〜17:30
参加者: Stephen Tavenar, Masahiro Nakajima, Tchié Tokoro
日本から将棋、花札、お箸、レターセットなど盛り合わせ、Zaragozaでゲットした栗、生ハムともりだくさん。Stephenからは、新作?のActiles 20、パーツの一部は手作りを頂きました。
Stephenは、Crosshairs, Sleepers, Web of
Filesなどをデザインしている英国屈指のゲーム作家。アブストラクトに関わらず、さまざまなジャンルのゲームも作っています。アブストラクトゲームは、ソフトウェアシステムのAiAiで解析したり、自身の対戦相手にさせるために自ら考案したゲーム以外にも、幅広く研究しています。AiAiには、中島のinpHeXionや山本さんのYonmokuも搭載されていて、だれでも入手できる優れたシステムです。
アブストラクトゲームや、古典的ボードゲームの汎用的プラットフォームとしては、博物館でも紹介しているZillions of
Gamesが世界的に普及し、標準とも言えるものですが、なんとStephenは、このシステムの開発にも関わったスーパーエンジニア!
そのStephenが、大英博物館近くの私達が滞在するアパートまでわざわざ訪問してくれました。 3時間弱のミーティングで、Stephen、中島双方のデザインしたゲーム(Amoeba, Crosshairs, FlipFlop, Knight Line, The Ring World)をプレー。
Knight
Lineは、Nestorからは発売されていないのですが、ボードを使わず2色の正方形のタイルを使って4目を作るゲームです。タイルはそれぞれの色をすべてスタックして隣り合わせに配置したところから開始し、ChessのKnightの動きの位置に任意の数のスタックを移動していくだけのシンプルなルールです。このゲームとても、おもしろい
!
Amoebaは、Zaragozaに続いての好局。こちらも初プレーのStephenが、序盤から圧倒的に優勢。 中島大ピンチの時に、非常に珍しい4個スタックにKernelが緊急退避、5個になったスタックを相手のKernel方面に分解、相手のKernelを2段にして自分のKernelはボードの縁に張り付く曲芸的な受けの名手によって不利な局面を打開。最後は、StephenのKernelが中央に4段スタックになり中島の逆転勝ちとなりました。Zaragoza戦もそうですが、手の見えるプレーヤーどうしでのAmoebaは、驚くような変化が現れてとてもエキサイティングな展開になります。
初対戦のAmoebaでの健闘に、日本から持って行ったNestor版AmoebaをStephenに進呈。
一連プレーして、StephenはAmoeba, Fano330-R-Morrisを解析したいとのことで、AiAiに載せることになりました。シンプルなゲームのFano330-R-Morrisが何手でどちらが必勝になるのか、解析結果が気になります。
最後に、博物館のソフトウェア開発プロジェクトのAbstract Strategy Games OnlineやAmoeba Onlineを紹介。Stephenから、効率的なゲームエンジンにするためのアドバイスをもらいました。 一方アートワークやエフェクトなどによるUIデザインのが苦手というStephenですが、今後AiAiにも、数学的表現によるエフェクトを搭載する予定だそうです。The Ring Worldのエフェクトも、すべてプログラムによる演出だという話しもしたので、今後すごい演出が登場するかもしれません。
Londonは、一泊のみの短い滞在。
いざ、Parisへ!!
ゲームショップをフランス語でgoogle検索する時は、"jeux de societe"と問い合わせします。さらに、地域で絞らないと目的以外の情報もたくさんヒットしてしまいますので、パリであれば"jeux de societe paris"と都市名も入れます。これで、近くのゲームショップが見つけられます。
パリの初日、宿泊先の近くを歩いていると、なんだかショーウィンドウにゲームらしきものを陳列しているお店がありました。ゲームショップを検索してめがけていったわけでもないのに関心です。「この調子だと、街中にゲームショップがあるのかも」などと想像はふくらみます。
見つけたお店は、Le Nid ゲームカフェ&バーです。店の手前にはいわゆるドイツ系ゲームが多数、少し奥に行くとカードゲームなどが陳列されています。さらに奥では、テーブルが複数あり、フランスのゲーマー達がゲームを対戦しています。日本のゲームショップに比べると広々とした環境で、綺麗・おしゃれに見えます。
2日目は、Tchiéのオルレアン在住の親友と7年ぶりに再開すべくパリ市内を2時間ほど歩いて、目的のビストロへ。
時間に余裕があったので道中のゲームショップ、Descartesの閉店30分前に入店。フランスにはGigamicなど優良なアブストラクトゲームパブリッシャーがあるにもかかわらず、アブストラクトゲームの品揃えは少ない。囲碁やチェス、チェッカーなどと一緒に小さな棚の片隅に数点展示されています。
食事の後、タクシーの社内から電飾に輝くエッフェル塔が見えました。
3日目には、前日から合流したPascaleの牽引で、ゲームショップ他を精力的に回ります。まずはカタコンベを見学しようとしたのですが3時間近く待たないと入れないようなので断念し、Plan Bに移行。
まだ廻っていないゲームショップを探します。昨日のDescartesの比較的近くのStarplayerを訪問し、中古のTaraをゲット。15Euroほどなので、まずまずの価格か。入り口近くは、ミニチュアゲームが目立つようにディスプレイしてあったので、ミニチュアゲームの専門店かなと思いましたが、奥に入ってみると、バラエティー豊かな品揃え。Japonブランドのゲームも多く陳列しています。
今回の滞在は、Marais地区。ノートルダムもすぐ近くです。
Parisは色彩豊かな街。
あちこちに、アートが。
ドイツゲームがやはり多い。特に受賞作品。少し古めのゲームも人気のものは、ずっと売っているみたい。
ミニチュアゲームがさかんです。現地発の、他では見たことの無いゲームをいくつか発掘できたことは収穫でした。店が綺麗・おしゃれ。客層は日本と似たような感じかな。アブストラクトゲーム市場は、あちらでもニッチなようです
。チェス、チェッカーくらいは置いているお店が多いのですが、全般的にアブストラクトゲームの品揃えは薄かったです。