禽将棋(とりしょうぎ)は、日本で考案された将棋です。「とり」の字は「鳥」ではなくて「禽」なのですが、駒には「鶉」「燕」など、猛禽類ではない鳥の名前もつかわれています。
将棋の九世名人大橋宗英が発案したといわれていますが、はっきりとは分かっていません。天保4年(1833年)に豊田四郎兵衛が著した「禽象戯圖解」に禽将棋の指し方と、いろは記号で棋譜が記されています。 当時使用された盤や駒は未発見です。
面白いことに1980年代の終わりごろ、イギリスで禽将棋のセットが発売されたそうです。日本では、奥野カルタで購入することができます。 禽将棋については、参考文献/禽将棋(文献)、参考文献/世界のゲーム事典で、詳しく紹介されています。
7x7の盤に32枚の駒を上記写真のように配置します。 1, 2段目が陣地です。
禽将棋の駒はすべて、日本の将棋では珍しく、一字で表現されています。 以下に、駒ごとの動きを解説します。
禽将棋には、以下のような特徴があります:
相手の鵬を詰めれば勝ちです。
双方が入鵬(将棋の入玉)しても引き分けにはなりません。
千日手は、同じ局面が一定以上の回数表れたときに、手を変えなければなりません。 参考文献/禽将棋(文献)では3回目、参考文献/世界のゲーム事典では4回目に、手を変えなければいけない、としています。
禽将棋は、将棋に触発されて発案されたゲームであることは間違いないと思いますが、駒も盤もルールもまったく違うゲームであるため、当館では、将棋の派生として扱っていません。