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どうぶつしょうぎは、2008年に日本女子プロ将棋協会(LPSA)より発表・発売されたゲームです。女流棋士の北尾まどか氏が考案、同じく女流棋士の藤田麻衣子氏がデザインを担当しました。盤のサイズは3x4、駒数も4個ずつ、シンプルなルールであるため、短時間で決着がつきます。 2009年初頭から人気に火がつき、一時入手が困難になったほどです。 2010年9月1日より、LPSAからのライセンス提供はおこなわれなくなり、考案・デザインの両名によるライセンス提供になりました。*1
このゲームは、2009年に田中哲朗氏によって、完全解析(強く解決)されています。
ここでは、どうぶつしょうぎの旧オフィシャルページを参考にルールを記述しました。
きりん | ライオン | ぞう |
ひよこ | ||
ひよこ | ||
ぞう | ライオン | きりん |
本来は進軍方向に駒を向けて駒を配置しますが、 ここでは便宜上、赤い色と黒い色で、両プレイヤーの駒を区別しています。
3x4のボードを使い、上記のようにセットアップします。 両プレイヤーからみた1段目をそれぞれ自陣とします。
相手のライオンを取るか、相手陣に自分のライオンが入ったら勝ちです。 (相手陣だからといって、入ったすぐ次のターンでライオンが取られる場所に移動することはできません)
プレイしてみると、将棋とはまったく別のゲームであることが分かります。
たった4種類しかない駒のうち、将棋にはまったくない動きをする「ぞう」と「きりん」という駒が2つもあります。
盤が広ければ、斜めのみの動きではたどり着けないマスがあるため価値はもっと低くなりそうですが、「どうぶつしょうぎ」の盤上では、斜めに動くことができる駒は「ライオン」を除いて「ぞう」しかいないため、駒の価値は高くなります。「ぞう」がないと、相手の玉をつめることが難しい局面がでてきたりします。「ぞう」を2つ持ち、Chessでいうところの色の異なるマスにそれぞれ配置できると、局面によっては相手の動きを強く制限できるかもしれません。
また、盤の横幅が狭いため、「きりん」と「ひよこ」の価値はあまり変わらないような感覚です。
将棋とは別の楽しさを発見できます。
LPSAなどによって、子供、親子を対象にしたイベントなどが数多く開催されています。駒の名称やデザイン、オフィシャル・サイトのルール説明も、子供たちを意識したものになっています。
「ぞう」という駒は、シャンチー(中国)、シャトランジ(ペルシャ,中東アラブ諸国)でも使われていますが、いずれも、斜めの動き*2をします。
「ライオン」や「きりん」は、働きも役割もまったく違うのですが、イスラムの影響を色濃く映す中世スペインのGrande Acedrex(スペイン)にも出てきます。
動物が駒として使われる子供むけの将棋は、他にThe
Jungle
Game(中国語でDouShouQi=闘獣棋)などがありますが、「ひよこ」と「にわとり」は、将棋の派生中でも他に類をみません(禽将棋でも出てきません )。
相手陣に入ったら勝ちというルールは、将棋のトライルール*3*4に通じる考え方で、 ゲームが引き分けになる可能性を排除する特徴を持っています。 このルールにより、ゲームはよりスピーディでエキサイティングになります。 このようなルールをもつゲームは他に、Alapoや当館オリジナルゲームであるFlipFlop、RinneTenseiなどがあります。