Fox and Geese(キツネとガチョウ)は、 北ヨーロッパで生まれ、中世以降、ヨーロッパ全土でポピュラーになりました。
ゲームモチーフは、狐1匹が大勢のガチョウを狩るハンティングで、この種のゲームを総じてハンティングゲーム*1と分類することがあります。
中世(バイキング時代)のスウェーデンで、おそらく"Tafl"(= KingsTable / Tablut / Hnefatafl)のvariantとして生まれたのではないかと推察されています。
1300年ごろの、アイスランドの5大サーガの1つ"Grettis Saga"の中にも登場します。また、英国のEdward IVの家計簿に、Fox and Geese を購入した記録があるそうです。 ビクトリア女王とアルバート王子も、このゲームの愛好家だったことが知られています。
このゲームには、世界中にたくさんのvariantsがありますが、ここでは古典的なものを紹介します。
図のボードに、13個のGeese(ガチョウ)駒と1個のFox(キツネ)駒を配置します。
2人のプレイヤーで、どちらがガチョウ、キツネになるかを決め、交互に駒を進めます。
先手はガチョウです。
ガチョウの手番では、ガチョウ一つをボード上の線に沿って前後左右に、隣の交点まで移動します。移動先に別の駒がある場合は、その方向へ移動できません。キツネ駒も取ることはできません。
キツネの動きは、次のとおりです:
捕獲されたガチョウは、ボード上から取り除かれます。
ガチョウの配置と空きスペースによっては、1ターンで複数のガチョウを捕獲することもできます。
ガチョウのゴールは、キツネを盤の角に追い詰めて動けなくすることで、キツネのゴールは、ガチョウの数を盤上から減らして追い詰められないようにすることです。
千日手は、キツネの勝ちです。
必ずどこかで勝ち負けが決まるので、引き分けはありません。
ガチョウがミスをしなければ、必ずガチョウが勝つことが分かっています。 ガチョウは、大勢で着実に1歩ずつキツネを追い詰めることができる、しかしキツネは、ウロウロしていたらいつのまにか追い詰められた、キツネ役には楽しくないゲームだ…というボヤキの声を、調査中に多く耳にしました。
キツネは、1羽でも多くのガチョウを捕獲することが重要です。
ゲームバランスの悪さを補うため、キツネとガチョウを対戦者が交互にプレイし、捕獲したガチョウの数を競う、より早くキツネを追い詰めた方を勝者とする、など、別ルールの工夫をして楽しんでいるプレイヤーも多いようです。
他に、KingsTable / Tablut / Hnefataflが、捕獲系のゲームとして有名です。