自作のKalah(カラー = マンカラの一種)というゲームのAppletを掲載します。プログラムは自作ですが、ゲームルールは、オリジナルではありません。
もとは、HP100/200LXで遊ぶためにCで書いたプログラムを、2000年ぐらいにApplet化したものです。
Javaに移植したときに思考にバグが入ってしまいました...
少しでも、ゲームの雰囲気を体験してもらえたらということで掲載いたしました。
どのPitから移動するかは、Pitをクリックして選択してください。 ゲームの性質上、自分も相手も次の手に移るときにはnextボタンを 押してください。
遊ぶには、JavaのPluginがブラウザに導入されている必要があります。
Mancalaは、遠い昔のアフリカ生まれのゲームです。ピースには貝殻や石ころを使って、 地面や木に穴を掘ってボードとして遊んでいたようです。
Kalahは、はMancala(マンカラ)の現代版バリエーションです。 Kalahは、Oh-War-Reeなどと並び、マンカラの北米で発売された製品版の名称です。
近年北米では、Mancalaの名称を冠した製品が多数販売されており、入手も容易です。 米国ではトイザラスなどでボードとピースのセットを$10〜$30ぐらいで販売しているので、学校の課外クラスなどでもみんなでプレーするような最もポピュラーなボードゲームのひとつです。
ゲームのバリエーションは大変多く、それだけで一冊の本になっているほどです。ボードも、ここでプレーできるKalahの6pit×2列 + ゴールpit×2ばかりでなく、6pit×3列とかさまざまなものがあります。
二人でプレーできるKalahのルールは、いたってシンプルです。数を数えられない小さな子供でも、 十分にゲームを楽しむことはできますが、それでいて戦略をきちんと練ってみると実に奥の深いゲーム なのです。
まず、ボードにあいている穴ですが、これをpitと呼びます。左右端の大きなpitはそれぞれ のプレーヤーのゴールpitです。そして、ボード手前の小さな穴の列が自陣、向こう側の列が 敵陣になります。(この画面上では、便宜上上の列が後手、下の列を先手としています。)
後 後 後 後 後 後 後 前 前 前 前 前 前 前 ボードは敵味方という形でわかれていますが、チェスなどのようにフィジカルコンタクトのあるバトルではありません。例えるなら、チェスや将棋はフィジカルコンタクトのあるサッカーやフットボール型のゲームで、Kalahはネットで仕切られたテニスやバレーボール型のゲームといえます。
初期配置
さて、ゲームスタート時の状態は、ゴールを除く各pitに均等に石を入れておきます。 (一般的なのは、4個ずつか6個ずつの配置のようです。)
0 4 4 4 4 4 4 0 4 4 4 4 4 4 ゲームの目的
ゲームの目的は、ゲーム終了時点で自分のゴールに相手よりもひとつでも多く石を 入れていることです。ゲームの進み方によっては、終盤に大逆転もあるスリリング な戦略ゲームです。
ゲームの進め方
- 進め方
ターンが回ってきたプレーヤーは、ピースが一つでも入っている自陣のpitを一つ選択します。選択したpitに入っているピースをすべて取り出します。
例えば、黄色いpitを選んだとします。
0 4 4 4 4 4 4 0 4 4 4 4 4 4
取り出した石は半時計回りに、選択したpitの隣から順に一つずつピースを入れていきます。このとき、自分のゴールpitの場所に着ても石を入れます。その次は、相手陣のpitについても順番に石を入れていきますが、相手のゴールに入れる必要はありません。相手のゴールは飛ばして、自陣のpitに入れていきます。
0 4 4 4 4 4+1=
54+1=
50+1=
14 4 4 4 4-4=
04+1=
5以下のケースでは、相手のゴール(青のpit)には石を入れる必要はありません。
2 3+1=
40+1=
13+1=
40+1=
14+1=
58+1=
94+1=
53+1=
42 0 6 9-9=
04+1=
5すべての石を入れ尽くしたら、とりあえずそのターンは終了です。
- ターンの継続のルール
1.のルールだけでは単純過ぎますので、ここから特殊なルールが登場です。
入れ終わった時のpitが自分のゴールpitだった場合、もう一度ターンを継続できます。このルールを活用すると、連続で自分のゴールにピースを運び込むことができますね。
- 相取りのルール
この相取りルールがKalahの醍醐味です。相取りは自陣のpitで、ピースが一つも入っていないところで、石を配り終わった場合、ちょうど対応する相手方のpitのピースすべてと、自分が配り終わった最後のピースを自分のゴールに入れてしまうことができます。
12 3 0 7 0 6 2 6 4-4=
01+1=
20+1=
13+1=
40+1=
14 ちょうど、石が一つもないpit(下段赤のpit)でピースの分配が終わったので、 自分のpitに入っているピース1個と、 対応する相手のpit(上段赤のpit)に入っている6個のピースをすべて、自分のゴール に入れることができます。
12 3 0 7 0 6-6=
02 6+1+6=
130 2 1 4 1-1=
04 ただし、対応する相手のpitにピースが入っていない場合は、自分のピースをゴールへ入れることはできません。
相取りが発生すると、ターンは相手に移ります。
- 動かせるピースがなくなったとき
自陣にピースが一つもなくなってしまえば、自分のターンが来ても選択できpitはありません。この場合、相手陣のピースはすべて相手ゴールに入ることになります。
12 4 0 8 0 0 1 23 0 0 0 0 0 0 この場合、先手はもう動かせるピースがありませんので、自動的に水色のゴールに、4+8+1=13のピースが加えられ、合計25になります。
リードしていても、敵陣に大量にピースが残っていて、自陣のピースが完全になくなってしまうような状態にならないように気をつけてください。
Kalahは、20世紀になって新しく考案されたマンカラです。それだけに、ボードとたねを使って遊ぶゲームとしてのマンカラの特徴がとても良く現れたルールになっています。
戦略の基本は、自分のゴールピットでたねをまきおわることで得られるフリーターンの獲得と、自分のピットが空の所でたねをまき終えることで、相手のたねを大量に奪うことを目指します。
しかし、終盤になると、自分のピットがすべて空になってしまうことで、残りのたねがすべて相手のものになってしまうことを警戒しなければなりません。逆の視点では、相手のピットが空になってしまえば、残りの自分のピットにある種が、すべて自分のものになります。この仕組を使えば、大きなリードを逆転することもできるかもしれません。
これらの戦略を考慮しても、単純な局面評価ができることから、先読みをしっかりすることは欠かせません。コンピュータープレーヤーは、マンカラのような単純な局面評価ができるゲームが得意で、とても強いプレーヤーを作ることもできます。これまでの、人やコンピュータープレーヤーの対戦履歴から、初期状態で6個のたねをすべてのピットに配置して開始するルールでは、先手がかなりの有利があるようです。他の配置でも、フリーターンの獲得や相手のたねを獲得する積極的な手を優先的に目指せる先手の優位は高いようです。このことから、先手を持ったプレーヤーは、積極的にターンと相手のたねの獲得を狙い、後手番は相手による大量損失をできるだけ少なくする受け身の戦略が主流です。いずれのプレーヤーも、終盤に相手ピットにたねが残らないようにして、得点差を(広げ/逆転す)ることが重要です。