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History

Renaissance made of tile
Renaissance

Renaissance (ルネッサンス)は、2012年に当館館長の中島雅弘によって考案されました。

Renaissanceは、地の取り合いのフェーズと、取った駒を配置し直すフェーズの、それぞれが戦略性の深い異なるゲームが1つに完璧に統合された、アブストラクトゲームの新しい方向を目指した、Integrated Abstract Strategy Game(統合型アブストラクトゲーム)です。

右の写真をご覧ください。Renaissanceは、1~4タイルのPolyominoes(Monomino, Domino, Triomino, Tetromino)を用いた、図形的にも美しく、パズル性、集める楽しさを併せ持ったゲームです。アブストラクトゲームでありながら、麻雀や花札、ポーカー、バックギャモンなどに通じるエキサイティングな要素が特徴です。

このゲームは、2つのPhaseを通して、都市の再開発をモチーフしています。都市の再生という意味から、Renaissance(ルネッサンス)と名づけました。

デザインの背景

今回は、以下の目標を実現するよう、デザインしました。

BOARD & PIECES

fig-01

90%fig1

fig-02

fig2

ページの右上の写真が、このゲームで使う用具です。

7x7のボード(fig-01)の中央は、あらかじめ占有されていて、どの駒も侵入できません。48マスがプレーグラウンドです。

Polyominoes(fig-02)を使います。Polyominoesは、正方形のタイルを1~n個連ねたものです。 呼び方は、連ねる正方形の数を表すLatin語の接頭語に -omino とつなげます。

タイルの数 呼称 裏表・回転を同じと考えた場合の種類 コメント
1 Monomino 1 1つだけの正方形タイル
2 Domino 1 皆さんご存知のドミノですね
3 Triomino 2 3個つながったものです。
4 Tetromino 5 テトリスで有名です。
5 Pentomino 12 Pentominoes / Quinnでは、これを使って遊びます

Polyominoesは、6,7,8,9,10,... と、以下ずっと続きます。

Renaissanceでは、Monomino, Domino, Triomino, Tetrominoを使います。

Monominoは、ゲーム中、操作の補助として使うことが主になります。各Polyominoesは、fig-02で示された、形に合ったアルファベットの呼称が定められています。

Monominoは48個、Dominoesは4セット、Triominoesは2セット、Tetrominoesは1セットを使います。

Polyomoninos

各プレーヤーは、自分の色を選択します。 それぞれのプレーヤーにマーカー(金と銀)が24個ずつあります。

Game Play

準備

fig3 fig4
fig5

Polyominoの配置


すべてのPolyominoesが配置できるまでこれらの作業を続けます。

すべてのPolyominoesを配置したら、残ったマスをMonominoで埋めておきます。(fig-08)

Phase 1

fig9

自分の色(金と銀)のマーカーをそれぞれ24個ずつ持ってプレーを開始します。

金(Gold)のプレーヤーから、自分のマーカーを配置します。

注意:
先ほどは、銀(Silver)のプレーヤーが先に指しましたが、ここからは金(Gold)が先になります。

fig11

マーカー配置のルール

  1. 他のマーカーに重ねてマーカーを置くことはできません。
  2. 中央のマスには、誰もマーカーを置くことはできません。
  3. 中央のマスに隣接する8マスには、いつでもマーカーを置くことができます。
  4. 自分のマーカーに斜めに隣接するマスに自分の駒を置くことができます。
  5. ボードの最外周に自分のマーカーがある場合、後述のマーカーの挿入ができます。

ボードの最外周に自分の駒がある場合のマーカーの挿入

fig12 fig13

隣接する外周上のマス(自駒が乗っているところを含めて3マス)の外側から、マーカーを挿入できます。

同一行/列上のマーカーを、1マスずつ押して移動します。 行/列に空間のあるところまで押し、それ以降後ろの駒は移動しません。

中央のタイルや反対側の縁までいっぱいに詰まっている行/列には挿入することができません。


Polyominoesの獲得

fig14 fig15
05

獲得時の操作

  1. ボードからこのPolyominoを取り除いて、獲得したプレーヤーが手元に保管します
  2. この時、このPolyominoに乗っているマーカーも一緒に取り除き、それぞれのプレーヤーに戻します
  3. 取り除いた地には、Monominoで埋めておきます


Phase1の終了

すべてのPolyominoがボードから取り除かれたらPhase1は終了です。以下の得点計算に進んでください。

終盤、どのようにしても、どちらのプレーヤーも獲得できないPolyominoesがあるときがあります。その場合は、 お互いどちらの物にもならないことを確認して、得点集計に進んでください。そのPolyominoesはPhase2で使わないので、 別のところによけておきます。

ボード上に残っているPolyominoにすべてマーカーが配置されなくても、どちらの地であるか明確であるとお互いが合意すれば、Polyominoを分配し、集計に移って構いません。
ただし、よく考えてください。獲得できる手順が残っていることがありますよ。 [wink]

得点集計 - 手役と得点

基礎点

手役

03
Dominoes Dominoesを4枚すべて獲得する。 +4点
Tri-I TriominoesのIを2つ獲得する。 +2点
Tri-V TriominoesのVを2つ獲得する。 +2点
Triominoes Triominoesを4枚すべて獲得する。 +4点
Tetrominoes Tetrominoesを5枚すべて獲得する。 +15点
Triple I Do, Tri, Tetr 全種のIを揃える。(右写真) +1点 / 1枚Iを追加する毎に+1点

複数の役ができた場合は、それぞれを合算します。

手役と得点の例

手役と得点

Phase 2

fig16 fig17

クリーンアップ

Phase1で、ボード上に配置したタイルとマーカーをすべて取り除いておきます。

プレーヤーは、それぞれMonomino1枚と自分のマーカー3個を持って開始します。

Phase1で獲得したPolyominoesは、それぞれプレーヤーの前に置いておきます。

準備

fig18

Polyominoesの再配置

09

1ターンは「手持ちのPolyominoesのうち1枚を配置」と「マーカーの移動」というアクションのセットです。(「手持ちのPolyominoesのうち1枚を配置」ができなくなったときは、「マーカーの移動」もありません。) 各プレーヤーは手持ちのPolyominoesがなくなるまで、または、盤上に置けなくなるまで、これを繰り返します。 金(Gold)が先にプレーします。

Polyominoesの配置

マーカーの移動

fig19 fig20

Polyominoesの配置、マーカーの移動ができない場合

fig21 fig22

双方のプレーヤーが配置できなくなったら終了です。次の得点集計をしてください。

得点集計

配置できず手元に残ったPolyominoesのタイルの数が得点になります。

Phase 2 の得点は、減点になるので、点数が多いと喜ばないように。 [worried]

GOAL

Renaissance made of tile

Phase1の得点は加点、Phase2の得点は減点です。双方の得点の合計点が1ゲームの得点です。

1ゲームの得点 = Phase1の得点 - Phase2の得点

1ゲームだけで勝敗をつける場合は、上記の点の多い方が勝ちになります。

競技ルール

事前にプレーするセット数を決めておき、以下の勝利条件を事前に決めてプレーします。

  1. 獲得得点の合計の多いプレーヤーを勝ちとする
  2. 獲得セットの多いプレーヤーを勝ちとする

1.のルールを偶数セット*1プレーするのがエキサイティングです。

VARIANTS

Phase1 だけをプレーする

Phase1だけでも、十分におもしろいゲームになります。公式ルールは、Phase1とPhase2を総合して遊んだときにおもしろいルールになるように得点配分をしていますが、Phase1だけをプレーするなら、特別な役も加えてみるとおもしろいでしょう。

例えば、特定の単語ができたら役にするとか、獲得したPolyominoesで、特定の形(例えばきっかり長方形)が作れたら役にするとか。組み合わせてできた、特定の図形(長方形や、穴の空いた図形)の数を得点として加えるなど、いろいろと工夫してみてください。

Phase2 だけをプレーする

Phase2だけでもプレーできます。これも、とてもおもしろいですよ。

この場合、最初に、Polyominoesを分配しておく必要があります。

分配には、例えば次のようにして分類してもよいかもしれません。

NOTE

Copyright © Masahiro Nakajima 2012, www.nakajim.net 2012, All rights reserved.


Renaissance

小さくて、シンプルで、おもしろいルールを作るのは、とてもチャレンジで大好きです。 でも今回は、アブストラクトで、ストラテジックで、エキサイティングなゲームにしたかった。 役を作ったり、何かを集める楽しさとか、地の取り合い、得点を競いあい、パズル的な要素とか、とてもよくできたRPGのように、それらをみんなうまく組み合わせたゲームにしたかったのです。 Renaissanceには、アブストラクトゲームとしての重要な要素を損なうことなく、盛りだくさんの要素を組み入れられたと思っています。

ゲームの説明、長くなりましたが、プレーしてみると、とても簡単なゲームです。 戦略性も深く、Phase1とPhase2ではまったく異なる頭脳を使わなければなりません。 ぜひとも、遊んでみてください。

Special Thanks

Honey Donutsに続き、アーヴァイン・システムズの新福哲氏に、このゲームのテストプレー、バランス調整などに協力してもらいました。

写真のモックは、金駒と銀駒、紫檀の木にラメを貼り付けているのですが、パラパラはがれるんです。

このページのタイル製のものは、ギフトボックスの山本さんに制作していただいたものです。

テストプレーやゲームバランスの調整を手伝ってくれた人たち、みな顔や手がピカピカになって、有意義な意見をもらいました。ありがとう [bigsmile]

SEE ALSO

Last-modified: 2019-11-03 (日) 18:07:18