UpperHand(アッパーハンド)は、Orda industries (イスラエル)から発売された二人用のゲームです。 商品は、主に米国見かけることができたとのことです。
オリジナルのUpperHandは5x5のボードを使います。
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左写真は9x9のセットアップ。右表は5x5のセットアップ。
プレーヤーは、それぞれ白玉、黒玉を下表の個数持っておきます。
ボードサイズ | 白玉の個数 | 黒玉の個数 |
2x2 | 3 | 2 |
3x3 | 7 | 6 |
4x4 | 15 | 15 |
5x5 | 27 | 27 |
6x6 | 46 | 45 |
7x7 | 70 | 69 |
8x8 | 102 | 102 |
9x9 | 142 | 142 |
10x10 | 193 | 192 |
11x11 | 253 | 252 |
12x12 | 325 | 325 |
13x13 | 409 | 409 |
14x14 | 508 | 507 |
15x15 | 620 | 619 |
... | ... | ... |
サイズが奇数のボードを使う場合は、ボードの中央に、中立の玉を置いてスタートします。
白が先手、黒が後手です。
玉は、下にボードか、四つの玉があるところならどこにでも置けます。
自分の玉を置いた結果、その玉を含む四個の領域に玉が置かれた状態になり、その内三個以上を自分の色が占めている場合は、その四個の玉の上にもう一つ自分の玉を同じ手番の中で置きます。その結果、置いた玉で四個の玉が置かれた状態ができて、同じように三個以上を自分の色が占めているなら、同じ手順を繰り返します。
左の状態でAに赤が置くと、Bにボーナスを同じ手順でことができる。
自分の玉を置いて、領域が四個になり、その内相手の玉が三個以上を占めている場合は、自分の手番で相手の玉を一つ上に置きます。これによって、また四個の領域ができた場合は、同じ判断と手順を同じ手番の中で繰り返します。
先に、自分の持ち玉をなくした方が勝ちです。
プレーした人の多くは、囲碁に似た感覚を受けるようです。厚みや実利に相当する、囲碁的な戦略/感覚を持つことで、ゲームを有利に運ぶことができます。 囲碁のように局面を模様で受け止める頭脳の使い方が受け入れやすいのか、チェスなど他のアブストラクトゲームよりも、女性に好かれるゲームです。
囲碁的感覚は、盤面が5x5のものよりも大きなサイズのものの方がより有効な印象を受けます。
自分のボーナスを獲得し、相手のボーナスを阻止することがすなわち勝ちにつながるのですが、バランスが重要です。 よくできたアブストラクトゲームのほとんどに当てはまる戦術ですが、指した手で直接利益を追求するより、後の手に含みを残した形を目指すのが良いでしょう。
オリジナルのゲームは絶版で、ほとんど手に入りません。米国発と言われているこのゲームですが、そもそもあまり売れなかったのか、館長の8年程の米国滞在中も見たことがありません。ですので、ほとんどの人は、ボードを自作して遊んでいるようです。写真も、5x5, 9x9のボードは館長自作の物です。
5x5のボードは早く決着がつきますが、同じルールで、より大きなボードでプレーする方が戦略性が高くなり、ずっと面白いようです。
11x11ぐらいが最も面白いと言われています。写真の9x9ボードは、当初11x11にするつもりだったのですが、米国で販売されていたビー玉の品質が悪く、大きさや形が不揃いで、11x11ではゲームの途中で山が崩れてプレーに集中できないため、やむなく9x9にしたのです
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1980年代後半に、UpperHandをコンピュータプログラミングの題材として、強者プログラマ達がAI作りにしのぎを削ったため、日本では比較的知られたゲームです。
館長が知っている範囲で、上記の書籍、雑誌記事などで取り上げられています。 また、PC98上で、複数のプログラマが作成したAIを選んで対戦できるソフトも公開されました。
他に、森田氏による参考文献/森田のミニゲーム集にクリスタルボールという名で組み入れられて発売されています。
こちらのサイトでは、JavaでAppletを製作し、プログラムの製作工程を詳しく解説してくれています。ソースコードも、公開していますので、プログラミングの学習にも役立ちます。館長は、このプログラムをHackして、ボードサイズを5x5のみでなく可変にして遊べるようにしました。