Hexは、Hexを抜きにしてアブストラクトゲームの近代史は語れないと言えるほど、 数学やゲームの研究への影響を与えたゲームです。
デンマークの数学者、Piet Heinがはじめに開発したといわれています。1942年 12月26日のデンマークの新聞で、Polygonという名のゲームで発表されています。記事では、11x11の六角のマスを並べたボードを使うとしています。
また、同じゲームを、米国プリンストン大学の数学者John Nash*1)が1948年、Heinとは独立に発明しました。こちらのゲームは、Nashと名づけられていますが、学生たちがBath Room*2の六角タイルでプレーすることが多いので、Johnと呼ばれることがあります。
1950年代のはじめには、Parker BrothersがHexの名前でゲームを販売しました。
そして、Hexはマーチンガードナーによって、1950年代の終わりに、Scientific American誌上の数学ゲームで紹介されたことで、さらに有名になりました。
その後も、多くの数学者によって研究され続けています。 参考文献/Hex Strategy= Making the Right Connectionsは、Hexの戦略をまとめた書籍、参考文献/Connection Games= Variations On A Themeには関連するゲームも多数紹介されています。
オリジナルのルールでは、11x11の六角のマスが並んだボードを使います。
それぞれのプレーヤーは、自分の色(白/黒など)の駒を手元に置いてゲームを開始します。
どの色のプレーヤーからはじめるか、標準的なものはありません。ジャンケンなどで先手を決めるとよいでしょう。
プレーヤーは、手番で一つずつ駒をマス目の中に置きます。 一度置いた駒は、移動することも、取り除くこともありません。
先手が*3有利であることが証明されているため、TwixTと同様に後手番のはじめの一手で、先手の一手目を自分の手として置き換えることを選択できるパイルール*4を採用することがあります。
Hexに影響を受けたゲームは、数多く開発されていますが、オリジナルHexの派生という意味では、サイズの異なるボードでプレーされます。エキスパートは12x12のボードを好むそうです。
赤が勝った例
自分の色の、向かい合う辺の間を、自分の駒が並んで結べば勝ちです。 ボードの4隅のマス目は双方、どちらにも属しています。
どちらの辺の組が自陣かは、ゲーム開始前に決めておきます。
二面のボードを用意して、先後を入れ替えたゲームを同時に二ゲームプレーする、dual challengesという方式を採用することで、 先手有利を平均化することもあります。
多くの戦略が研究されています。
小さめのボードからはじめて、基本戦略を習得するとよいでしょう。
ダウンロードできるリソースに印刷して使える、Hex 12x12, 11x11, 7x7と5x5のボードがあります。